受験料無償化を発表  ~新渡戸文化中学校の想い

新渡戸文化中学・高等学校(東京都中野区)は、中学校・高等学校のすべての2021年度入学試験で受験料を無料とすると発表しました。また、中学校では「好きなこと入試」(オンライン入試あり)や適性検査型入試を導入することも発表されています。

これらの背景にある考え方について、奥津先生にお話を聞きました。

「見えない壁」を理由にチャレンジをあきらめないでほしい

―― 今回の受験料無償化の背景にある考え方を教えていただけますか?

奥津先生: 
「金銭を理由に進学をあきらめないでほしい」が、最大の想いです。

私立中学への入学は、塾に通ったり、模試を受けたり、たくさんの学校を受けたりと、入学前から複数のハードルがあります。つまり、一見すると「とても高い壁」に見えてしまいます。

―― 確かにそうですね…

奥津先生: 
今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で、例年よりもさらに進学をあきらめる理由が増えてしまっているのではないでしょうか。しかし本校での学びに関心をもち、ともに学びたいと思っている皆さんに、本校への進学をあきらめてほしくない、ぜひ共に学びたいと考えた結果、「受験料無償化」と「好きなこと入試」の導入を決定しました。

―― 好きなこと入試は、試験形式で「オンライン」が選べることや、対面・オンラインとも15分程度で終了することなどがとても新しいですね。

奥津先生: 
これには、長い間塾に通ったり、模試を受けたりしなくても、気軽に本校を受けていただき、なにより「勉強」だけに限らず様々なことに本気で取り組んできたお子さんに、本校をチャレンジしてほしい、という願いが込められています。

様々な危機にある今だからこそ、金銭や中学受験という「見えない壁」を理由にチャレンジをあきらめてほしくないと考えています。

「求める力」を追求し、適性検査型入試を導入

―― 受験料無償化と同時に、適性検査型入試の導入も発表されました。

奥津先生: 
本校には、公立中高一貫校で長い間勤務していた教員が複数人います。もちろん入試業務も担当してきた教員がおり、これまでの経験からもいわゆる中学入試的な「超高度な暗記」や「異様に複雑な問題」ではなく、「与えられた情報をその場で考えることができる適性検査」の方が、入学試験としては適切であるという考えがありました。

また、本校ではこれまでも、「単なる単語を答えるだけの問題はやめよう」といった意見が出たこともありました。さらに、「いわゆる中学受験として詰め込まれてきた力」よりも、「与えられた情報を考え、自分をメタ認知し、表現する力」の方が、本校が求める力に近い、ということもありました。

―― 適性検査型入試の導入は、ある意味必然だったのですね。

奥津先生: 
はい。適性検査型入試の導入は、全く違和感なく導入に至りました。

―― 受験料無償化、好きなこと入試、そして適性検査型入試。より多様な生徒さんが応募してくださりそうですね。

奥津先生: 
そう願っております。適性検査型入試の導入には、もちろん、様々な学びをしてきた小学生の皆さんに本校にチャレンジしていただきたい、という想いもありますので…。

―― 本日はありがとうございました!

関連記事

【ミニ特集】オープンスクールの見どころをお聞きしました⑤新渡戸文化中学校

8月29日に開催される新渡戸文化中学校さんの学校説明会、その中の講演会や学び体験の内容について奥津先生にお話を聞きました。