東洋大学京北中学校 学校説明会

2020年8月に実施された、東洋大学京北中学校のオンライン学校説明会の一部(=動画を除く部分)を書き起こしでお伝えします。 

校長挨拶

石坂校長先生
小学生の皆さん、こんにちは。私は東洋大学京北中学高等学校の校長をしております石坂康倫と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

実際に皆さんに会って、本校のことについてお話をしたいところですが、まだまだ新型コロナウイルス感染拡大は続いております。近い将来――来月、あるいは今月の末には高校も含めて皆さんに学校のほうにお運びいただいて説明をさせていただきたいと思っておりますけれども、現時点では注意をしてこのような動画配信とさせていただきますことをお許しくださいませ。

これから受験に向けて大いに張り切る時期になります。なかなか思うように学習ができずに悩んでいる方もいるかもしれません。しかしこれからが勝負です。私どもの学校のホームページにも受験生への私からのメッセージも書いております。ぜひご覧になっていただき、頑張って最後までやり通していただければ嬉しく思います。

本校の教育方針

建学の理念

石坂校長先生
では本校の教育方針についてお話をさせていただきます。これは本校の骨格をなす部分だとお考えいただければありがたいです。

まず、本校の創立者は井上円了というかたです。井上円了先生は東洋大学の創設者でもあります。その井上円了先生の建学の理念は「諸学の基礎は哲学にあり」という言葉で表現されております。私どもはそのような理念のもとに、教育活動を幅広く、そして深く進めてまいりたいと思っております。

それでは、哲学について考えてみたいと思います。

私どもは、「哲学とは、生き方を追求し、真理を探究する学問である」ととらえております。そしてそのためには、考える力を身に付ける必要がある。そのために本校では、特に論理的な思考力を身に付けるトレーニングをしております。これもまさしく哲学の一要素であると考えております。そのことによって、思考力を高めることができます。

本校の目的

本校の目的は「本当の教養を身につけた国際人を育成する」ということです。本当の教養を身に付けてこそ、初めて国際人と呼べる人になれると私は考えております。

そこで、本当の教養とは何かを説明させていただきます。学力の面と心の面があるとあると思っています。どちらも必要不可欠です。

学力の面では、俯瞰力・探究力です。俯瞰力とは、高い所から見下ろして全体を捉える力――たとえば宇宙から地球を見るというような考え方だと思ってください――です。探究力とは、物事の姿を探って見極める力です。物事の真の姿というのは、実際に地球上にあるひとつのことがらについて、あるいは私たちの考え方のひとつについて深く掘り下げなければいけないわけです。それを私たちは探究力と呼んでいます。その力を育てる、そのために授業を行っていると考えてください。

しかしながら、いくらそのような力があっても、心の面が不足していたのでは国際人とは言えません。豊かな心、思いやりの心が必要です。多方面から見ることのできる心をもって、初めて豊かな心は育ちます。他者の立場に立って考える力・考える心、これがあってこそ思いやりの心と呼べるものです。相手のことを考えずに自分のことだけを考えるのでは国際人にはなれないと私は考えておりますので、この思いやりの心を大事にしたいと考えております。

これが本校で求める本当の教養であり、本校の授業およびその他の教育活動を通じてこの教養を身に付けてまいります。

心がけ

次に、心がけについて説明します。

本校はこのような言葉で表現しています――「正礼し 正聴し 尽瘁すれば 不可無く良生なり」。

正礼とは、礼儀を正すことです。具体的には、挨拶をしっかりすることなどもそのひとつになるわけです。 
正聴というのは、人の話を真摯に聴くことです。自分の意見があっても自分の考えがあってもまずは人の話をしっかり聴くことが基本になると考えております。
尽瘁というのは、病んで倒れてしまうほどに一つのことに尽くしきることを言います。つまり、なにごとに対しても一生懸命に取り組むことです。倒れてしまうほどに一生懸命に取り組めば――「不可無く良生なり」とは不可能だと思われることも可能になるということを伝えております――本校のテーマである「よりよく生きる」ことになるということです。正礼し 正聴し そして尽瘁すれば、不可能だと思われることも可能になり、そしてそれはよりよく生きることにつながる、これが本校の心がけです。

教育の三本柱

本校の教育の三本柱は、哲学教育(生き方教育)・国際教育・キャリア教育であり、これらを結び付ける教育を行います。授業を中心としながらも、この3本の柱は結び付き、体制を整えて、本校の教育目的を達成するために頑張っていきます。 

教育課程

本校の教育課程は、全科目履修型です。あくまでも教養主義でいきます。

つまり、理系・文系という考え方とは異なり、すべての教科科目を学習する、そして実際に自分の進路を決めたときに初めて理系の科目に力を入れる、文系の科目に力を入れるというような考え方をするということです。

そのことは結局は広く教養を身に付けることになりますから、国公立大学を目指す授業に結びついてくるということでございます。また、東洋大学の付属校でもありますので、その推薦枠は約毎年160名ほど大学よりいただいております。ただし一定の基準をクリアしないとその推薦ができませんので、しっかりと学んでほしいと思います。

メッセージ

発明王と呼ばれたトーマス・アルバ・エジソンというかたが残されたたくさんの言葉の中から、最も好きな言葉を紹介させていただきます。

「私たちの最大の弱点は諦めることにある。成功するのに最も確実な方法は、常にもう一回だけ試してみることだ」――いかがですか?私たち人間は、困難に遭うとあきらめたくなる、あきらめると楽になります。しかし私たちは、一つの成功を収めるために決してあきらめてはいけない。ではどんな方法があるかというと、その確実な方法とは、常にもう1回だけ試してみることだとおっしゃっています。皆さん、うまくいかなかったらもう一度やってみよう、そしてまたうまくいかなかったらもう1回やってみよう、そうすれば必ず成功へとたどりつくということでございます。ぜひ覚えておいてください。そしてそれを心掛けて生活してほしいと思います。

これは私が作ったことばです。しかし似たようなことは多くのかたが言っているのではないでしょうか。

「できない」という言葉を口にしてはいけない。
何故なら、その言葉を口にした瞬間に「できない」理由を探し始めるからである。

「できる」という言葉を口にすると良い。
何故なら、その言葉を口にした瞬間から「できる」ための工夫と努力が始まるからである。

どちらを選ぶかで人生は大きく変わってくる。

この言葉は生徒にも先生方にもお伝えして、本校ではこのような気持ちで教育活動に立ち向かって取り組んでおります。

以上、私からのお話を終わらせていただきたと思います。ありがとうございました。