聖学院中学校 ・2021年度にSTEAM教育を中高で大きく拡充 ~2021年9月開催の説明会より~

聖学院中学校・高等学校さんは、今年度(2021年度)、中学・高校の双方で、STEAM教育を大きく拡充しています。2021年9月に行われた学校説明会の一部を以下に抜粋・再録して、その内容をご紹介します。

2021年度の新たな取り組み(一覧)

2021年度からは、特にSTEAM教育の分野で、新たな取り組みを積極的に展開しています。

(1) 高校にGlobal Innovation Classを設置しました。

(2) 中学に「情報プログラミング」という学校設定科目を設置し、週1時間行っています。これは、1人1台デバイスを持つことになりましたので、そのリテラシー教育やプログラミング教育などを行うために設置した科目です。

(3) 「Global Innovation Lab」(土曜日特別授業)を中学校に設置しました。

Global Innovation Class(高校)

2021年度から高校に新設した「Global Innovation Class」は、❝「ものづくり」「ことづくり」を通して世界に貢献していく❞をコンセプトとしています。

授業内容の特長

Global Innovation Classでは、一般の授業や体育祭・文化祭などの行事、体験学習はすべてAdvanced ClassやRegular Classと同じ内容ですが、これらに加え、主に平日の午後と土曜日を使って、下記の独自科目を合計週13時間学びます。

Liberal Arts
新聞やNIESなどをもとに、ディスカッションやディベートを行い、論理的思考力などをトレーニングしていく授業です。(2時間/週)

Global Immersion
英語で学ぶ授業。テーマはSDGsです。Global Innovation Class生は、通常の英語の授業(6時間/週)+Global Immersion(3時間/週)で、9時間/週の英語を学んでいます。

STEAM
ものづくり・ことづくりに必要なスキルを学びます。(6時間/週)

Project
生徒が自分たちでテーマを設定して研究やプロジェクトを実践していく、大学のゼミにあたる授業です。(2時間/週)

独自科目
時間割の例

Immersion

Immersion では、SDGsを英語で学びます。
「英語で学ぶ」方法については、Competencyという科目を設け、IB(国際バカロレア)のエッセンスを導入した基礎科目として週1時間学んでいます。

Immersionの授業風景

Global Innovation Classでは、1人1台保有するデバイスに加えて、学内ではMacBookを貸与し、2台を使用しています。

STEAM

本校は感性と理論、Art と Productの両方を大切にした教育を行っています。

STEAMの授業風景

ファブラボ(※)

※ファブラボには、3Dプリンターやレーザーカッターなど、ものづくりで活用する機材を揃えており、全生徒が使用できます。

学校設定科目「情報プログラミング」を新設(中学)

中1の1学期にリテラシーが大きく向上

本校では、中学1年生から1人1台デバイスを授業で活用します。そこで、中学1年生の1学期には、そのリテラシーをまずはしっかりと身に付けられるよう、Keynote(プレゼンテーションソフト)などの様々なツールの使い方や、SNSのリテラシーを高める授業を週1時間設けます。

そして2学期からはプログラミング(Scratch)やデータ分析が始まります。

これら一連の授業を通じて、生徒たちのリテラシーや能力はぐっと上がります。結果、他の教科でもタブレットを使った授業を格段に展開しやすくなったり、Global Innovation Lab(後述)への発展が可能になったりといった効果が上がっています。

中学1年生・1学期の「情報プログラミング」授業風景

Global Innovation Lab 改訂(中学)

高校「Global Innovation Class」のエッセンスを中学でも展開

「情報プログラミング」の授業で学んだことを発展させ、中学1年生の2学期からは、プログラミング、データサイエンスSTEAM、SDGs、Immersion、起業体験などにも取り組みます。

高校の「Global Innovation Class」で行っていることのエッセンスを中学校でも展開することで、中学から高校まで、STEAM教育をさらに充実させています。

「Scratchトースター(※)」授業風景

Scratchプログラミングでトースターを動かし、クッキーの商品開発をするという授業の風景です。温度と時間と遠赤外線金赤外線の変数をプログラミングで動かし、組み合わせを変えることで、良い商品を作ろうと中学生たちが熱心に取り組んでいます。

※「Scratchトースター」はパナソニック株式会社が開発したプログラミングで制御可能なトースター機能を備えたプロトタイプで、調理の試行錯誤に化学・生物の知識を結び付けるプログラミング教材と組み合わせた新たなカリキュラムとして開発されたもの。