渋谷教育学園幕張中学校・高等学校 田村校長先生のお話・穴埋め式まとめノート④

この記事は、文化放送PodcastQRで毎週月曜日に配信されている「【中学受験】おおたとしまさの『校長室訪問』」の内容を、確認クイズ付きでWeb再録したものです。

配信内容の主要部分を書き起こすとともに、その一部を「穴埋め(ブルダウン式の三択)」クイズにしております。

番組を聴きながら穴埋めを完成させて、楽しみながら学校への理解を深めていただければ幸いです。

今回お届けするのは、
渋谷教育学園幕張中学校・高等学校(千葉県千葉市)の校長である田村哲夫先生のお話(全4回)の第4回です。

※その他の回をお読みになる場合は、下記リンクをご利用ください。
第1回 第2回 第3回


番組の聴取は下記より↓↓

【大切なお願い】

※このWeb再録は、「【中学受験】おおたとしまさの『校長室訪問』」をより楽しんでいただくための取り組みとして、文化放送様の許諾をいただいて実施している特別企画です。

クイズを楽しんでいただいたあとは、ぜひページ末尾のアンケートフォームから、番組のご感想やリクエストなどをお送りください。

この企画を続けていくことができるかは皆さまのお力にかかっております。ご協力、どうぞお願いいたします!

※本テキストの著作権は、株式会社文化放送に帰属します。本テキストの一部または全部を無断で複写・複製することは法律で禁じられております。

Topics1:Agency

ジェンダー問題に対して子どもの理解を深めるために

おおたとしまさ氏(以下、おおた):
(前略)今回は4回目、最終回になります。前回は、日本のこれからの発展を考えた時にジェンダーの問題が非常に大きいというご指摘があったかと思うのですが、では、このジェンダーの問題を、家庭の中で親御さんたちがどのようにお子さんたちに伝えて行って、ジェンダーに対する理解を深めていけば良いのでしょうか。


渋谷教育学園幕張中学校・高等学校
田村哲夫
校長(以下、田村):
これは、ジェンダーの問題を正面切って伝えて親から子に伝えていく…という形ではなくて、私が考える家庭教育で大事だと思うこと、そして実は、家庭でそれがしっかりと身に付いていけば、学校もそれをしっかりと目標にしていく(こと)、そしてそれは実は世界の目標にもなっている話を申し上げたいと思います。

おおた:
すごい!家庭と世界がつながるんですね。

田村:
それは「Agency(エージェンシー)」という言葉なんです。

Agencyという言葉は、先ほども申し上げましたが、OECDとか国連の組織が、AIが支配するような時代――これはもう否定できないですよね――コンピューターがあらゆる場面に登場してきて人間の生活をコントロールするような時代になった、そういう時代に生きる人たち、つまり、2030年とか2040年以降の生活を考えると、人間が何を一番大切にしていかなければいけないか。「(1)」を実現するための意識。それをAgencyと言っているわけです。

<確認クイズ>
(1)に当てはまる言葉は何でしょう?

テスト

田村:
このAgencyに対してはなかなかうまい訳がないので、私なりに生徒に分かるように訳している言葉を申し上げますと――これは校長講話でいつも言っているのですが――「(2)」(です)。

つまり、自分のこととして考える。すべて。これを色々な形で、お子さんのご家庭における活動の中で、(2)を持てるように子どもさんを扱ってほしい。

<確認クイズ>
(2)に当てはまる言葉は何でしょう?

テスト

田村:
たとえば、家庭において子どもというのは「お客さん」ではないんですよね。「(3)」なんです。家庭が成り立つためには(3)が必要ですが、その(3)のひとりが子どもさんなんです。ですから親御さんは(3)として扱う。家庭の中で子どもがやる仕事を決める。ちゃんとやらせる。やらなければ困る。

おおた:
役割を持たせる。

田村:
そうです。

<確認クイズ>
(3)に当てはまる言葉は何でしょう?

テスト

目は大きく。耳はそばだてて。口はなるべく閉じて

田村:
それをやらせようとしたって、やらないですよ。意識がないんだから。(3)と思っていないですからね。(でも)(3)であるというふうに思わせて働かせる・活動させることを通して、Agencyが育っていくんですね。

(4)」人がいるということを実感させるわけです。(働かせる内容は)なんでもいいんですよ。小さいうちは「新聞を取ってきなさい」とかね。「これは君の仕事だよ。君が取ってこないと家中の人が新聞を読めないんだ」と。(言い方としては)いやらしいけれど、意識してやらせるということでしょうね。

(親御さんたちは、お子さんが)小さいうちであれば、目は大きく。耳はそばだてて。口はなるべく閉じて、子育てをしていただきたい。基本の路線は、子どもを(3)=Agencyを持つ存在として育てていくということですね。あらゆる場面でそれが必要です。

<確認クイズ>
(4)に当てはまる言葉は何でしょう?

テスト

おおた:
Agencyって、会社の名前にも使われる…

田村:
そうです。支店といった意味でも使われますが、(2)という意味でも使われます。この場合は支店とかそういう意味ではなく、レポートの中では「Agency」という言葉がそのまま使われています。

Topics2:自己肯定感と他者貢献

自己肯定感はこうして育まれる

おおた:
家庭の中でも子どもを一人の(3)としてとらえて、何らかの役割を持たせて。小さい子でしたら金魚の餌やり、植木の水やりなどありますよね。

田村:
「あなたがいないと困るんだ」ということを実感させることですね。(これによって)私がいないと困る人がいる、と広がっていくのです。

おおた:
家の中で何か役割を持たせてお手伝いをさせるというと、表面的に見ると使役的な行為にとらえられますが、実は、子どもの自己肯定感を育んでいる。自分が「(5)」な存在であるということに気づく、そういう機会を与えているのですね。

田村:
その絶好のチャンスですね。

おおた:
そこで毎日やっていることを、親のほうも「当たり前」と思わないで、毎回「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えることが…

田村:
それは大事です。すごく大事なんです。

おおた:
ついつい、毎日やっているとそれが当たり前になってしまいますからね、大人も…

田村:
そこは常に刺激して、激励してあげて。大事に育てていくということが大事なんですね。(中略)今からでも決して遅くない。

<確認クイズ>
(5)に当てはまる言葉は何でしょう?

テスト

自己肯定感から他者貢献へ

おおた:
それが世界につながっていくというのはどういう…?

田村:
環境が大きいと思います。友達ですよね。いい友達ができるというのは素晴らしいこと。

おおた:
そういった、家庭の中で育まれた「自分がいなければ困るんだ」という意識を核にして、そして中高、思春期を過ごす中で色々な友達に囲まれて、色々な才能を持っている人、色々な先生に囲まれて世の中を知っていって、広い世の中、その中でも自分に何ができるのかという(2)を持つことによって、グローバルな社会の中で自分の居場所・役割を自分で見つけていく人になれると。

田村:
親御さんにぜひ知っておいていただきたいのは、アドラー心理学の中で、共同体意識という言葉が出てきます。共同体意識とは、仲間ができるという形を、どういう意識のもとで形成されていくのかというのをアドラー流に分析しているものです。

共同体意識ができる出発点は、先ほどおおたさんがおっしゃった自己肯定感なんです。自分を認める。私どもで言う「(6)」ですよ。自己意識。自分が何かを持っていることに対して肯定的に意識をもっている。それが、仲間と付き合う時に、その自分の持っているものが何か仲間の役に立つと。他者貢献ですね。

<確認クイズ>
(6)に当てはまる言葉は何でしょう?

テスト

他者貢献から共同体意識へ

田村:
自己肯定が他者「(7)」につながってできるのが、Friends=友人関係。仲間意識です。これが共同体意識の中身なんですね一人ひとりの心の中の動きを見ていると、そういった段階を追って形成されていくという。アドラーはそういう説明をしていますね。

ですから、日本の青少年の自己肯定感が低いというのは、非常に気になるところなんですね。発展できないんですよ、自己肯定感がないと。これは色々な意味で工夫していく必要がありますね。

おおた:
そういった意味でも小さいころから家庭の中での(2)を持つことが…

田村:
自分には何か人の役に立つものがあると感じることなんです。それが自己肯定感そのものなんですね。
だから何か、刺激して、家庭の中の仕事でそれを感じさせればいいわけです。

おおた:
その自己肯定感を持っていることによって、他者に対する…

田村:
(他者を)(7)する力が自分にあるんだと。それを感じ取った他者との提携ができて、共同体意識に発展していくわけです。出来上がると素晴らしい仲間意識なんですね。

<確認クイズ>
(7)に当てはまる言葉は何でしょう?

テスト

共同体意識から多様性へ

おおた:
その仲間が、単なる「単一民族である」といったそういう偏狭なことではなく、どんどん違いを受け入れていくことができるようになる。それぞれ違ったアイデンティティを持っていて、自分には自分の役割があって、彼には彼の、彼女には彼女の役割があって。(それが)今度は多様性に結びついていくんでしょうね。

田村:
多様性が「(8)」だということに気が付く。

おおた:
自分はいなければ困るけれども、あの人も、あの人もいなければ困るという、普遍的な法則に気づけるようになるわけですね。

<確認クイズ>
(8)に当てはまる言葉は何でしょう?

テスト

Topics3:いま、ここ

過去や将来を見ても不安しか生まれないのなら

おおた:
先生、最後に。大人であっても数カ月先の未来がわからないという時代を生きている中で子育てをされている親御さんたちに、アドバイス、メッセージをひとことお願いできますか?

田村:
これは大変難しい問題ですが…ただ(私が)生徒に、今年の始まるときに言ったことは――禅宗には「いま、ここ」という言葉があります。今、ここ。過去を振り返ると悔いが残り、将来を見ると不安ばかり残る。そういう時代に禅宗では「いま、ここ」という言葉を使っているんですね。

つまり、過去や将来を見てもそういうものしか心の中に生まれないなら「いま、ここ」しか見ない。
まずそこから始めてはどうでしょうか。

禅の言葉ですけれども、新学期が始まるときに生徒たちに(伝えました)。


おおた:
ああ、いいですね。すごく時間の流れや見通しを持った生活というのも日本の文化だと思いますが、一方でそういう、後ろを向いても前を向いてもネガティブなものが出てきてしまうのであれば、「いまここ」だけに集中して、フォーカスをしてということで。今日できること、今日、この子の笑顔のために、発達のために。失ったものを嘆くのではなく、今できることに集中するということでしょうか。

田村:
そういうことだと思います。

おおた:
今月は、渋谷教育学園幕張中学校・高等学校の校長、田村哲夫先生にお話をうかがいました。
田村先生、ありがとうございました。

田村:
ありがとうございました!

いかがでしたか?
このPodcastと書き起こしが、渋谷教育学園幕張中学校さんについて理解を深める一助となりましたら幸いです。

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