かえつ有明中学校 学校説明会

3. Global ~かえつ有明という環境~

山田先生:
こんにちは、国際部長の山田といいます。
(今は)こういうコロナの状況なんですけれども、グローバルという言葉が改めて感じられるんじゃないかなと僕は思っています。なぜならば、ちょっとしたウィルスが全世界に瞬く間に広まっちゃうわけですよね。だから、どうしても島国日本ではもういられない、みんなとつながっちゃっている、色々なことがどんどんつながっている。グローバル――グローブというのは地球のことですからね――僕たちはある国に住んでいながらでも地球上の一市民だよということが今回改めて、いい意味でも悪い意味でも突きつけられてしまっているのかなというふうに感じているところです。

現在お話をしている国際部長の山田は、他校でもよく採用されている英語のテキスト「ニュートレジャー」の編纂にも携わっています。もちろん本校でも使っています。

(広報部長・宇野先生のチャットコメントより)

グローバルという言葉は、僕は個人的にはあえて言わなくても、もう、今回のコロナ騒動でもそうですが、もうグローバルなのは当たり前だと思うんですね。ただ、日本国内に住んでいるとそれがわからなくなってしまうことがあるかもしれません。やっぱり大事なのは、まず自分が日本で生まれ育っているのであれば日本人だということをちゃんと意識することはとても大事だと思うんですけれども、内向きになってしまうのではなくて、世界のみんなとつながっているんだよということも同時に意識をしたり、経験をしたり、または学んでいったほうがいいのかなと思います。

私は実はアメリカにも住んでいたことがあるのですが、向こうで色々な経験をしましたし、言葉を選ばずに言えばいろいろな目に遭いました。ああ、やっぱり僕は外国人なんだなぁとすごく意識をしたんですけども、僕の子供は向こうで生まれて向こうの小学校に行きましたが、授業の見学に行くと、教室に必ず貼ってある言葉があるんです。どこの地域に行っても貼ってありましたけれども、Respectって書いてあるんですね。Respect Others――Respectというのは尊敬というよりも「尊重」しましょう(という意味)。色々な人がいて当たり前なんだよ、でも違う肌の色の人が目の前にいると「違う」と思ってしまうよね、だからダメだよっていうのではなくて、そういう人と一緒に、色々なことをやっていくのが当たり前だよねというのを、小学校や幼稚園の時からそういうトレーニングをしているんですね。しょうがないですよね、目の前に違う人がいるんだから色々なことを思ってしまうので、やはり勉強をしていきましょうと。

「3つの観点」はグローバルに通じている

さて、かえつでも、もちろんグローバルは当然です。3本柱の1つなんですけれども、うちの校長先生が最初にちょっと難しい言葉で言っていましたが「3つの観点」を大事にしているよと言っていました。

3つの観点というのは、学び方をちゃんと学ぼうねとか、自分軸のことだとか、皆で生きるんだよということ。今からこの3つのことを話しますね。なぜならば、このことがグローバルにつながっているからです。

3つの観点①学び方を学ぶ

最初に「学ぶということを学ぶ」――ちょっと難しいですね。難しいんですが、実はそんなに難しく考える必要は無いんです。さっき田中先生が説明してくれたことなのです。つまり、どうやって勉強したらよりよく勉強できるかな、よりよく自分のためになるのかなということを、色々なトレーニングやスキルを身に付けることで、学び方をちゃんと学べば世界に出て行っても、きちんとした知識を身に付けてきちんとした対応ができるよということです。

当然ですが、漢字や英単語は覚えなければいけません。覚えるのは各自の努力です。だけど、学校ではみんなが集まるから、覚えたことを使って、どうやったら自分の意見が分かってもらえるのか、どうやったら相手が言ったことを自分なりに受け止められるのかという練習をたくさんするんですね。これが、実は世界でもみんなやっていることだったのです。これをあえて意識をして、こういう風に勉強しようねと考えることが実はとても大事なんです。

なぜならば、学校で言われたことさえやっていればそれで済むという訳では無いですよね。先生が漢字を覚えなさいと言ったからいやいや覚える、で、どうするの?ということではなくて、この漢字を覚えたらどうなるのかな?どうやって使ったらうまく自分を表現できるかなという練習をいっぱいする、そのことで自分から「あ、面白い!」と思えるきっかけをたくさん作る。そういう授業を「サイエンス」だとか「プロジェクト」というふうにあえて授業の時間をとって勉強しているんですね。

これがとても役に立つ。先生方にも役に立つ、実は。みんなでああ、これはいいねとやっているので、もっともっとみんなが楽しくなる。それが大事になります。

かえつの英語:Language Arts

ただ、今、グローバルということで――僕は英語を教えていますので、英語はどうやって教えているか。もちろん、単語を覚えなさいねとは言っていますけれども、ちゃんと使おうねと言っています。

これは、国際生が英語の授業をするときに指標にしているものなんですけれども、実は日本語・国語でも同じことが言えます。情報を集めて、そしてそれが何を言っているのかということを分析して、そしてほんとかな?と調べて、やっぱりこれ使えるよと言ってみんなと分かち合う。そういうことを通しながら、国語や英語、そしてその他の授業も行われています。こうやって学び方をちゃんと学ぼうねというのをまずは大事にしています。


3つの観点②自分軸を確立する

Find Who You Are

ただ、学び方を学んで、それでHappyになれるわけではないです。僕は実は野球をずっとやっていました。へたくそですけど。野球って、チーム全体でやっていくスポーツです。ですから、自分のポジションや自分のバッターの順番で、やることが決まってきます。ということは、自分がやらなければならないことをきちんとしないと、当然、チームとしては勝てません。

ですから、まずあなたは何をきちんとするんですか?あなたの思っていること何なのですか?あなたは実はどういう人ですか?なんていうことを中学生のうちからきちんと意識しましょう、ということです。皆さん、お父さん・お母さんとちょっとお話してほしいのです。生まれたとき、どうなったのでしょうか?どんな小さい時を過ごしたのか――今はこんなに大きくなっちゃって、お父さんお母さんから「あの時は可愛かったわねえ」なんて言われていませんか?今も可愛いよって言ってくださいね――自分はどんな人だったのかというのをちょっと振り返ってください。

そして、自分はどんな強みがあるのかな?これからどうやって変わっていけるのかな?というのを中学生になったらもっとどんどん深めてほしいのです。だから「あ、これをやってみたい!」どうぞやってください「あ、やっぱり僕はこれが得意なんだ」とか「これは苦手だから何とか克服しよう」だとか、そういうことをじっくりやってもらう時間にして欲しいんですね。

自分を発見できるかえつの英語プログラム

ではかえつではというと、実は帰国生でも何でもない人たちが、英語を頑張ろうと思った人が、レシテーションコンテストなんかに出て、上位入賞したりするんですね。すごくびっくりします。「ああ、私は英語が好きなんだ」なんていうふうに感じたり。

入学後abcから学び始めた一般生が、国際生の英語クラスであるHonors(英検準1級以上レベル)やAdvanced(英検2級以上)にステップアップしています。

(広報部長・宇野先生のチャットコメントより)

うちには、中学3年生になると1学期間留学ができるプログラムがあったり、高校生になると1年間留学ができたりします。戻ってきた時は、自分がいた学年にちゃんと戻って来れますから、みんなと同じ進級ができます。

そして、行った先、色々なところで自分を見つめ直したり「ああ、やっぱり僕は/私は日本人なんだ」ということを再認識したり、「ああ、日本はいい国なんだ。でもイギリスやアメリカ、そしてニュージーランド、オーストラリアは素晴らしい国だな」と認めるとか、そういう自分を作るきっかけにもなります。そうやって、自分を作っていくという時間をじっくり取れる、そんなチャンスがいっぱいあります。

留学は本人も意欲的ですが、年々保護者の熱が高まっています。なかには、本人よりも保護者の方が行かせたい!というご家庭もあります。2月の校内で実施する留学フェアは200名以上のご参加です。

(広報部長・宇野先生のチャットコメントより)

留学だけではなく、本校では、外国の人たちと触れ合う機会がいっぱいあります。

ここに書ききれないこと、留学以外――色々なプログラム以外にも、たくさんのチャンスを設けています。留学生も本校に来たり、また、高校生は必ず各学年に中国からの留学生がいたり、お隣の韓国の方々と交流をしたり、アメリカやオーストラリアの子供たちが遊びに来たり、「1カ月間だけちょっと居させて」なんていう外国人が来たり。または交換留学で1年間色々な国からやって来たり。そんな人たちがいたりしますし、また、外国人の先生がたくさんいるのですね。

そういった色々な、自分たちと違うことを経験することで、改めて「ああ、面白いな、私って」という発見をしてもらいたいと思うんですね。

3つの観点③共に生きる

ただし「自分が一番」になってしまうとそれは――当然ですけれども、うまくいかないことがあります。どこの国だかわかりませんけれども「自分の国さえ良ければいい」なんていうことを大きな声で言う国がありますが、でもその国だって、色々な国の人々が力を合わせて成り立っているというのも事実です。ですから、自分がしっかりするのは当たり前です。でもしっかりするのも練習や気づきが必要だから、かえつでは、色々なことをあえて皆さんにやってごらんと提供しているのですが、その周囲を見回すと、実は、かえつの中には色々な人がいることに気がつきます。

なんとうちの学校は、4人に1人が国際生です。国際生というのは、海外で暮らしたことがある人や、おうちのお父さんやお母さんが外国の人だったり、色々な環境で英語が強かったりという子供たちがいっぱいいるんですね。たとえば、さっきの田中先生も帰国生です。うちには帰国生の先生がいたり、僕のように海外で暮らした先生がいたり、または、ご主人がアメリカの方だったりという先生があったり、または、外国人の先生が、9人、10人とたくさんいます。

ですから、廊下で英語でしゃべっているのはもう当たり前、普通です。ですからうらやましいと思うより自分がそうなっちゃえばいいんですよね。そういう環境がありますから、グローバルなんて言わなくてもそういう雰囲気がいっぱいあります。

ですから、今までのお話をまとめると、まず、勉強の仕方をちゃんと学んでねと。で、それを学ぶと自分の知識が増えたり、人と話をするのが上手になったりするよと、そういう練習をいっぱいしましょうねと。そしてまず自分がちゃんとしようね。そのために色々な人と関わり合いを持って「ああ、私は/僕はこうなんだ」というのをちゃんと意識しようね。そして、それをできる環境がかえつには実はあるんだよと。振り向くとそこには帰国生、振り向くとそこには外国人の先生がいます。だからいっぱい刺激を受けられるんだよ、ということです。

大まかに言いますと、1学年200名在籍、そのうち50~60名が国際生で、各クラスにミックスされています。休み時間は流ちょうな英語が飛び交います。その国際生と友人関係になることで、一般生がいろんな刺激を受けます。一般生の1割が在学中に1年間の留学に飛び立ちます。1年後大きく成長して帰ってきます。

一般生ははじめは流ちょうな英語を話す国際生にびっくりしますが、5月のGWごろには自然と仲良くなります。大人に言われるよりも、自然と英語を学びたい、海外に行きたいと思うようになります。

(広報部長・宇野先生のチャットコメントより)

こういうことを通して、

国際生がいっぱいいます、外国人の先生もいっぱいます、外に出る機会もいっぱいあります、色々な人と話をしたり、実は学校外の人がいっぱい来たり、こちらから色々なところに出向いたりして、すごくいっぱい刺激を受けながら「私はこういう人なんだ」「これからこういう社会に出ていって/世界に出ていって、頑張ろう」というエネルギーを蓄える6年間であって欲しいと思うんです――中学3年間と高校3年間ですね――それを含めて、すべてを通して、かえつでは「グローバル」だと思っています。だから、あえてグローバルなんて言わなくてもうちの学校そのものがもうグローバルになっている、そういう気持ちを育てていこうということです。

4人に1人が国際生というと、一般生にとってはびっくりしますが、時間がたてば、同じ同世代の子なんだと安心します。お互いの特長や個性が違うだけなんだと。英語がすべてではないことにも気づきます。本校では英語ができるというだけで、偉そうにしている生徒はいません。あくまで一つの能力です。

(広報部長・宇野先生のチャットコメントより)

Global Mindが育つ環境

そして、こういう気持ち、知らない間にGlobal Mindというのができてきて、卒業していく時は、そういうことにもう慣れているよ、自分自身を発揮して、新しい世界を僕たち/私たちが作っちゃうんだよというような、そんな学校を目指していますし、今でもそうだと思っています。

かえつのGlobalについて、国際部長の山田からお話をしました、以上になります。

――ありがとうございました。
ここまでで約1時間弱、教育内容についてのお話をさせていただきました。
最後に、本校の入試についてお話をさせていただきます。
宇野先生、お願いします。

(次ページ:入試について)