この記事は、文化放送PodcastQRで毎週月曜日に配信されている「【中学受験】おおたとしまさの『校長室訪問』」の内容を、確認クイズ付きでWeb再録したものです。
配信内容の主要部分を書き起こすとともに、その一部を「穴埋め(ブルダウン式の三択)」クイズにしております。
番組を聴きながら穴埋めを完成させて、楽しみながら学校への理解を深めていただければ幸いです。
今回お届けするのは、
日本女子大学附属中学校(神奈川県川崎市多摩区)の校長である椎野秀子先生のお話(全4回)の第1回です。
※その他の回をお読みになる場合は、下記リンクをご利用ください。(配信後、順次追加していきます)
第2回 第3回 第4回
番組の聴取は下記より↓↓
【大切なお願い】
※このWeb再録は、「【中学受験】おおたとしまさの『校長室訪問』」をより楽しんでいただくための取り組みとして、文化放送様の許諾をいただいて実施している特別企画です。
クイズを楽しんでいただいたあとは、ぜひページ末尾のアンケートフォームから、番組のご感想やリクエストなどをお送りください。
この企画を続けていくことができるかは皆さまのお力にかかっております。ご協力、どうぞお願いいたします!
※本テキストの著作権は、株式会社文化放送に帰属します。本テキストの一部または全部を無断で複写・複製することは法律で禁じられております。
Topics1:音楽会
2年連続の学年別開催。でも一方で…
おおたとしまさ氏(以下、おおた):
(前略)日女(日本女子大学附属中学校)と言えばまず、キャンパスの緑が豊かで、ここに毎日通っている生徒さんたちがうらやましいなぁ…なんて思ってしまいます。
日本女子大学附属中学校
椎野秀子 校長(以下、椎野):
本当にそうですよね。若者はあまりそのことを意識していないんですけれども、でも、卒業してしみじみとやっぱりあの6年間は格別の贅沢だったと感じるようです。
おおた:
緑が豊かで、単に自然が豊かというだけでなく、なんだかパワースポットに来たかのようなすごく良い雰囲気があるキャンパスですよね。
椎野:
ありがとうございます。
おおた:
そんな素敵な日女さんですが、最近の学校の様子はいかがですか?
椎野:
まずは12月、例年、音楽会を行っているんですけれども、残念ながら2年連続でコロナ対応の学年別の音楽会となりました。クラスごとの合唱と――私たちの学校といえばバイオリンを全生徒にという授業がありますので――クラスごとのバイオリン演奏をしました。
例年ですと「メサイア」の「ハレルヤ」合唱を、本当に舞台狭しと学年中がのぼってという形でできて、3年生のその姿を見て下級生が「私たちも来年は、再来年は」となるところですが、それができなくて。自分たちの学年だけだったのですけれども、
でも、そのおかげで各学年の行事の(1)たちが、それぞれに育ったと感じた次第です。
<確認クイズ>
(1)に当てはまる言葉は何でしょう?
学年が上がるごとに考えも言葉も進化する
椎野:
1年生は1年生なりにちゃんと、すべての演奏が終わった時に、(2)を舞台の上で言うんですね。生徒たちがそうやって最後に(2)を言うのが、どの行事も私たちの学校のスタイルですので。
たとえば1年生であれば、みんなをまとめる苦労をして、だけどおうちの方や友達が励ましてくれて達成感を得たこととか。2年生になると「私は実は、舞台でよく躍っているバレリーナなんだけれども、舞台を作り上げる心がこの音楽会でより良いものになった」とか。3年生になるともっと総合的な、「音楽の力」というようなことを言いまして。
ちょうど私、年明けのベルリンフィルの公演の生中継を見ていた時に、指揮者が同じことを言っていて――こんな時代だからこそ音楽に励まされる、音楽の力ということをああ、同じことをうちの中学生が言っておりました、なんて思いながら見ていました(笑)。
<確認クイズ>
(2)に当てはまる言葉は何でしょう?
おおた:
普段は全校でやるものが学年単位になったことで、学年ごとのストーリーや成長が感じられたということですよね。
椎野:
はい。
おおた:
コロナ禍で色々とあきらめなければいけないこともあるのでしょうけれども、でもやはりその中でも子どもたちが、その中だからこそ得られる成長や感動を感じているという、子ども達のたくましさ・生きる力を感じることもよくありますよね。
椎野:
そうですね…!とは言いながら、来年こそは「メサイア」ができればと思っております…。
おおた:
(中略)「メサイア」や「ハレルヤ」などいわゆるキリスト教的なものをやられるというのもまた次回、学校の歴史に触れることになりますが――そういう文化がありますよね。
椎野:
そうですね。
Topics2:卒業論文
自ら選んだテーマを1年かけて研究
椎野:
それから、始業式のその日が実は、中学3年生の(3)の提出日なんです。(3)のことを私たちは「中学生の卒業論文」と言っておりまして、学園全体が、大学生の卒論ではなくても、1年ごとに何か自分の好きなテーマをもって勉強していこうよというようなことがベースに昔からあるところを、中学校はそうしたスタイルで全員が、自分でテーマを決めて方法を考え、担当の教師を自ら選んでアタックして研究していきます。
最終的には、代表者が「(3)発表会」という形で学年の前で3学年の前で、そしてできれば学長などもおよびして…という形で発表することと、学会発表のような形でパネル発表会もしていこうというのがこれからの計画でございます。
おおた:
(3)というのは、中学生が、中1・中2・中3それぞれの段階で行うのですか?
<確認クイズ>
(3)に当てはまる言葉は何でしょう?
椎野:
いわゆる大きな形で1年間(をかけて研究をする)というのは3年生になってからですが、ただ、1年のうちからそういった3年生の研究を見ておりますので、またこれも「(4)」という方向のスタイルとしては色々としますので。
優秀な作品を見ると、これは「やらされながらやった」ものではなく、もともとから興味があったからこそ、それをこの機会に研究にしてみようと思い、これが終わったところでその子の研究が終わるわけではなく、高校につながり、大学、ひょっとすると社会人になっていく時の職業の入り口になっていくというようなテーマがみられますね。
おおた:
「(4)」というのは御校の教育の、ひとつの大きな特徴ですよね。
椎野:
そうですね。
<確認クイズ>
(4)に当てはまる言葉は何でしょう?
日々の生活の中に切磋琢磨できる環境がある
おおた:
そう言われて今、思い出したのですが、教室の廊下――そもそも御校の廊下って、廊下じゃないですよね、広いですものね――、ホールみたいなところに広い空間があって、教室の壁にたくさん(5)が貼ってあるんですよね。友達の(5)をお互いに見て…
椎野:
そうです、そうなんです。それが一番の学びと思っていますので、切磋琢磨しあう環境も、毎日の生活の中で自然に…という環境で、壁じゅう掲示板でございます。
おおた:
ですよね。お互いの成果を見て「すごいね」「あの子のこんなところがすごいね」とお互いに学びあったり、そして時には先輩たちの発表を見て「1年後に自分はどんな研究をしようか」「どんなことをテーマにしようか」といったことを常に頭の片隅に置きながら学校生活もしていくという。
椎野:
そうですね。コロナ以前は、わりと外に出かけて行って研究所の見学をしたり実験をさせてもらったりだったのですが、そういったことが去年はなかなかできなかった。すると今年は生徒も考えまして、作ったものを外部機関の何かに応募してみて、つまりそれを力として世に問うてみようといった形で、絵本を作って絵本のコンクールに出して、もうすでに賞をいただいたりとかといったことをしております。
<確認クイズ>
(5)に当てはまる言葉は何でしょう?
「どう見せるか」まで工夫してこそ舞台に立てる
椎野:
昔はそれこそ、人形浄瑠璃の人形の「かしら(首)」を作って、そういう子は藝大から学芸員になって…といった形で、すでにここで芽生えていたのねという感じですし…
発表会も、振り子が動いていくような様子がユーモラスに映し出されると、会場中がそのことに嬉しくてやんやと反応して…という感じですので、好きなことを好きにやって発表する面白さみたいなことは、小さくたって中学生だってたいしたものだと思います。
おおた:
こうしなさい、ああしなさいというふうに決められたベルトコンベヤにのせられるのではなく、自分のやり方でやってみる。拙くてもいいから自分のやり方でやってみることを認めてもらえるって、すごく大切ですよね。
椎野:
はい。そうしたお堅いテーマだけでなく、たとえば去年は、生活音(つまり)ドアを開ける音とか水が流れる音などを全部ミキシングで拾って収録して――見せ方が上手だなと思ったのは――(その音で)「パプリカ」の演奏をするという発表があって。それはとても楽しゅうございました。
おおた:
そもそも研究したいというのもあるでしょうし、一方ですでに、こういうふうに見せたら(発表の)受け取り手側がきっと面白がって見てくれるだろうというところまで計算していますよね!
椎野:
どう見せるかというところまで工夫をしてこそ舞台に立てるというところは、うちの子たちらしさだと思います。
おおた:
御校の生徒さんたちの持ち前の「(6)」ってありますよね。
椎野:
ありがとうございます。
<確認クイズ>
(6)に当てはまる言葉は何でしょう?
討論も批判も恐れない
おおた:
またこれも、女の子同士だから…という言い方が良いのかどうかわかりませんけれども、遠慮なく、やりすぎることを恐れないというところが…
椎野:
そうなんです。討論や批判も含めてやります。
おおた:
こんなことをしたらちょっと浮いちゃうかな?みたいなことを(生徒さんたちは)あまり気にしないですよね。
椎野:
そうです。幸いに男子の目というものがございませんので、そこはもう、突っ切っているところがございますよね。
おおた:
すごくシンプルですよね、そのあたりが。
いかがでしたか?
日本女子大学附属中学校の椎野秀子校長先生のお話・次回(第2回)配信分のテキストは こちら からご覧いただけます。
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