例年以上の激化が予想されている2023年度中学入試。いよいよ各所で出願が始まる中、6年生保護者様は出願校の最終検討と調整を進めていらっしゃることと思います。
そのご参考のひとつにしていただくため、当サイトでは期間限定企画「探究型入試紹介」の連載をしています。今回はその番外編として今回は、探究型の学びがあふれている学校のオープンスクール体験記を掲載します。
今回ご紹介するのは、文化学園大学杉並中学校(東京都杉並区)です。2022年11月19日(土)に開催されたオープンスクールに参加してきました。
文化学園大学杉並中学校さんについてさらに知りたいかたは以下の2つもご覧ください:
このシリーズの連載記事は、年末年始の間は当サイト「オンライン合同学校説明会」に掲載し、年明けの2023年1月6日(金)をめどに新サイトにも掲載していきます。新サイトの掲載アドレス等が決まりましたら、こちらのページにもリンクを掲載いたします。
Contents
2.授業体験(英語)の見学
今回のオープンスクールでは、英語と国語の授業体験が実施されていました。
私は英語の授業体験を見学してきました。
英語初心者~5級向け 「ネイティブと楽しく英語に触れよう」
英語初心者から英検5級までのお子さんたちが集まる英語クラスをのぞいてみると…なぜかキテレツ大百科の登場人物がスライドに映されていました。
どうやら、「ろくろっ首に巻き付かれて困っているキテレツを助けるための道具(Tool)を発明して!」が今回のミッションとなっている様子。
お子さんたちはグループを作り、アルコール消毒で消せるフィルムに道具のアイディアを書いては消し、書いては消し… うーん、難しい…と頭をひねるお子さん続出でしたが、ネイティブの先生が各グループの間を回って声をかけたり質問に答えたり励ましたりしながら雰囲気を盛り上げていきます。
最後は、どんな道具なのか?その強みは?などをプレゼンテーション。和気あいあいとしたクラス体験となっていました。
英検準2級~2級向け① カナダの授業を受けてみよう!(文系科目)
このクラスでは、初めに「Would you rather…?」というゲームをしていました。
授業体験に来た生徒さんたちは、なぜか教室の中央に一列に並んで立っています。
正面には、黒板。投影されたスライドには2つの写真が並んでいます。
ここで問いかけ「Would you rather…?(あなたならどちらを選びますか?)」生徒さんは自分の選びたい方、右か左に走っていきます。先生は、なぜそれを選んだの?とインタビューをしていきます。
質問の中には突拍子もないものも含まれていました。たとえば、「これからの人生、ずっと走り続けていなければいけないのとずっと叫び続けていなければいけないのと、どちらを選ぶ?」 この質問には「「走り続ける」と答えた生徒さんが多かったです。(さすが若い!)
「ものすごく背が高いのと、ものすごく忙しくのではどちらがいいですか?」という質問には、「背が高いほうがいい」を選んだ生徒さんが多数でしたが、先生は「そんなに背が高いと天井に頭がぶつかって大変なんじゃないかしら~」と笑いだし、つられて生徒さんも笑顔に。走ったり、笑ったり、インタビューに応えたり。最初の緊張がみるみるほぐれてみんなが楽しそうになっていくゲームでした。
緊張がほぐれた後半には、みんなで円になってクッシュボールを投げ合い、ボールを受け取った人が単語を言うゲームが始まりました。
先生がある分野を指定し、ボールを受け取った人がそのカテゴリーの中に該当する単語を言っていきます。他の人が言ったものと同じ単語を言ってしまったら、そこで終了。また新しい分野でゲームを再開します。みんな、失敗してもうまくいってもどちらでも楽しそうでした。
英検準2級~2級向け② カナダの授業を受けてみよう!(理系科目)
わいわいがやがやだった「ネイティブと楽しく英語に触れよう」、みんなが走ったりボールを投げたりと体を使っていた「カナダの授業を受けてみよう!(文系科目)」に続いて、理系科目の体験授業もやはりゲーム形式。グループで倍数を次々に言っていきます。
1から順に数えていき、7の倍数に該当した人が「Buzz!」と叫ぶゲーム。次に、3の倍数の人が「Fizz!」5の倍数の人が「Buzz!」と叫ぶゲームをしました。頭ではわかっているつもりが、テンポが速くなるとつい間違えてしまうこのゲーム。間違えたらまた1に戻って最初から…となりますが、みんな間違ってもそれはそれで楽しそうに続けていました。
3.部活動の見学① なぎなた部
今回のオープンスクールで私が楽しみにしていたのは、なぎなた部の「誰でも出来る楽しいなぎなた体験」を見学することでした。
文大杉並さんと言えばソフトテニス部が特に有名ですが、実はなぎなたの強豪校でもあるのです。
そもそも、なぎなた部がある学校自体あまりないので、今回のオープンスクールでも大人気。たくさんの小学生さんが集まっていました。
体験当日は、顧問の先生と先輩がなぎなたの基本動作をを見せてくださいました。
なぎなたの基本動作は、攻撃や防御をするための動作「構え」と移動や打突の時に用いる足の運び方「体さばき」。模範演技は迫力があるのにとてもきれいで、小学生さんたちも見入っていました。
模範演技を見たあとは、いよいよ実践です。
まずは先輩の模範演技。防具をつけた打ち込み台に向かって、「面」!
小学生の皆さんもなぎなたを持って、さあ、体験スタート!実際に持ってみると思ったよりも長くて重いなぎなたは構えるだけで一苦労ですが、何度か練習するうちに振り下ろせるお子さんも出てきました。優しくアドバイスしてくれる先輩に見守られながら、次々と打ち込み台に向かってチャレンジを続ける小学生さんたちはとても真剣な面持ちでした!
4.部活動の見学② STEAM Play倶楽部
「STEAM Play 倶楽部」にもおじゃましてきました。
- 主役は生徒たち
- “探究”から“創造”まで
- 社会とつながる
「3つのこだわり」を掲げたプロジェクトから始まったこのクラブは、生徒さんの活気がすごい!
オープンスクール当日は、特に人気だったのがロボットサッカー体験。クラブ所属の先輩たちがプログラミングしたロボットを使って、サッカーゲームをしました。
サポートしていたのは中学生の皆さん。つい最近入学したとは思えないほどのびのびと、まるでいつものクラブの延長であるかのように自然体で場を取り仕切っています。
自分たちが主役となって探究し、創造する。そして、学校の外とつながることを恐れない――先生方の「こだわり」をしっかり受け取っている生徒さんたちの姿が印象的でした。
5.高3の生徒さんへのミニ・インタビュー
生徒さんたちは各種体験後に体育館で保護者さんと合流。その後は、希望者対象の校内案内がありました。驚いたのは、私のいるグループを引率し校内案内をしてくださったのが高校3年生の生徒さんだったこと。大学受験は大丈夫なのかな?と思っていたら、実はすでに大学には合格済みだそうで…。せっかくの機会なので、少しお話をうかがってきました。
Q:国際基督教大学に合格されたそうですね。おめでとうございます!11月の時点ですでに進学先が決まっておられるんですね。
ありがとうございます。帰国生枠で受験をしたので試験日程が早かったんです。
Q:帰国生枠、ですか?
はい。僕が在籍しているダブルディプロマ(DD)コースは日本と同時にカナダの高校の卒業資格が得られるので、国内大学を帰国生枠で受験する生徒も多いんです。
Q:帰国生入試と一般入試の2回、受験チャンスがある大学もあるということですね。その分、高校時代の勉強は大変だとは思いますが…
確かに大変ですが、でも、それ以上に楽しさがあったので乗り切れました。たとえば日本の数学の授業を受けたあとに同じ単元をカナダの授業で受けると、別の説明の仕方があって。僕はそれが楽しかったですね。
Q:2つのカリキュラムを両立させるコツは?
助け合いです! DDコースには「みんなで一緒に頑張ろう」という雰囲気がありますので、大変な時は励まし合ったり、教え合ったりしています。もちろん、先生方のサポートもあります。
Q.入学のきっかけは?
小学生の時はインターナショナルスクールに通っていて、途中から日本の一条校に転校したのですが、日本の教育を受けていなかったために苦労してしまいました。だから中学・高校は日本の学びと海外の学び、両方できる学校に通いたいと探して、この学校に出会ったんです。
Q:期待通りでしたか?
もちろんです。期待以上でした!!
Q:受験生さんにメッセージをお願いします。
DDコースは大変である以上にすごく楽しいです。
少しでも多くの生徒さんにここで学んでほしいと思っています!
6.その他の気づき
今回のオープンスクールは、体験授業を受けている間、保護者さんは体育館で説明会を聞く形式でした。
体験授業を終えたお子さんはどんどん集合場所の体育館へと戻って来るのですが、この時びっくりしたのは、お子さんたちのクラブや授業体験の様子が音楽付きの動画になって、体育館で放映されていたことでした…!
今さっき撮影した写真がすぐにスライドショーになっている、そこからは先生方の連携力や風通しの良さ、スピード感やICTリテラシーの高さが感じられました。
コミュニケーションが活発で、先生も生徒さんも進化していくことに前向き。そんな文杉さんからは探究を促進する土壌とはどのようなものかも学ばせていただいたように思います。
文化学園大学杉並中学校さんについてさらに知りたいかたは以下の2つもご覧ください: