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インタビュー③ 学びと探究
ものごとを「自分ごと化」するのが探究活動
――進学指導についても方針をお聞かせいただけますか?
中村:
できれば「二兎を追って、二兎を得たい」と思っています。いわゆる「勉強」だけをするのではなく、探究活動もしっかりやり、探究的な物の見方と学力、両方しっかり身に付けられるようにしたい。そこはすごく思っています。
ただ、生徒の希望という意味で申しますと――これは全国的にもそうなのですが――総合型選抜や学校推薦型選抜を受けたいという生徒が増えていますので、そうした希望に応えられるように探究活動の中で生徒が自分のポートフォリオを豊かにしていけるようにすることも大事だと思っています。
――探究的な学び方や姿勢が従来型の教科学習に与える影響についてはどのようにお考えですか?
中村:
私たちはものごとを「自分ごと化」するのが探究活動だと考えています。「他人事(ひとごと)」では問いを立てることもできませんから。
「自分ごと化」することは社会に出てからもとても大事なことです。他人事のままではすべてのことに身が入らずに終わってしまいます。ですから、大学受験というすごく目先の事だけでなく、将来のことを考えると、探究的なものごとの見方・考え方は役に立つんじゃないかなと、我々はそう信じて(探究の推進を)続けています。
――「機に応じて活動できる女性」として育つためにも必要なことですね。
中村:
そうですね。結局、社会が変わっていく中で、それを世の中のせいにすることは簡単ですが、そんなことをしても何も変わりません。(そうではなく)変革したり自らも変わったりしていくためには、最終的には「個」の力が必要になります。そのためにも「自分ごと化」することがとても大事なのではと思っています。
「探究コース」では3年間で10単位
――中村中高さんならではの「探究」の特徴を言葉に表すと、どのようになるでしょうか。
中村:
そうですね…わかりやすい言い方で申しますと、高等学校の「探究コース」では、「総合的な探究の時間」を3年間で10単位としています。
――それはすごいです。確か、高等学校は3つのコースに分かれるのでしたね。
中村:
はい。先進コース、国際コース、探究コースの3つです。先進コースはより進学しやすく、国際コースは留学しやすいなどそれぞれ特長があるのですが、探究コースはとにかく「総合的な探究」に時間を割いています。普通なら3年間で3単位のところを10単位分としていますので、その分、本当に色々な切り口の探究ができます。
――3年間の活動はどのようになっているのでしょうか。
高校1年生では探究の基礎から学べます。テキストを使って問いの立て方から学んだり、市販化されたプログラムを使ったりして演習をします。
高校2年生になると「個人探究」です。一人1テーマで、1年間かけて準備をしていきます。それを2月の「NQフェスタ」という学内の発表会でポスターセッション型で説明します。それを下級生たちや教員がみんなで見るという、そこをひとつのゴールにして1年間きっちり進めていきます。
――1人1テーマはなかなか大変ですよね。生徒さんのサポート体制はどのようになっていますか?
中村:
生徒一人ひとりにファシリテーターが付いて、様子をみながら声掛けをしつつ進めていきます。
キティちゃんからゲーテまで
――ファシリテーターとおっしゃった…ということは、指導というよりも伴走という役割なのですね、きっと。
中村:
はい。私たち教員に彼女たちが突き詰めようとしていることの知識がなくてもいい状況にしてあります。
――なるほど。つまり先生のご専門の範囲でテーマを設定するなどの対応ではなく、探究のテーマは本当にフリーで選べると。
中村:
ええ、ですから本当に幅広いですよ。去年でいうと、(文系のテーマでは)キティちゃんやジャニーズからゲーテまで色々なテーマがありました。
私たちは知識や経験値を提供するのではなく、あくまで調べ方や作り方をサゼスチョンするぐらいの役割です。ファシリテーターとして伴走することを意識しています。
インタビュー④ 入試出願を迷われている方へ
「後輩と買い物に」「先輩と映画に」が普通
――出願を迷っていらっしゃる方に中村中高さんの魅力をひとことでお伝えください。
中村:
うーん、ひとことでは言えないぐらい、いいところはいっぱいあるんですが(笑)。
生徒たちはよく、「アットホームな学校」だと言っていますね。
なぜそうなるかというと、教員と生徒、生徒同士、先輩と後輩…距離がすごく近いんです。人間関係がすごく濃いので、人との関係を大切にしたいというお子さんにはすごく向いていると思います。
――女子校進学を迷われるご家庭は、女子校は上下関係が厳しいんじゃないかと思ってそこで躊躇されるケースもあるようです。この点、中村中高さんはいかがですか?
中村:
上下関係はいい意味でゆるいんですよ。たとえば、「後輩と買い物に行く」とか「先輩と映画を見に行く」とか、普通にあります。僕たちの世代からするとあり得ない感じがしますが(笑)。
人間関係のトラブルも、規模が小さな学校で生徒との距離が近いという特色をいかして比較的速く対応ができています。女子校でも共学校でもトラブルは中学2年生・3年生に多いですので、そこを特にしっかり見て対応するようにしています。
先生方が一枚岩な「面倒見の良い学校」
――大学進学サポート体制についてもお聞かせいただけますか?
中村:
うちは塾・予備校にいかなくてもちゃんと対応できますと保護者様にはお伝えしており、実際、塾に行っていない生徒もたくさんいます。放課後は20時まで学校に残って勉強できるようになっていますし、かなり手厚くサポートしています。
本校にはキャリアサポーター制度があります。総合型や推薦への対応も、希望している生徒一人に対して教員が必ず1人付き、志望理由書や小論文などに取り組む生徒をしっかりと支えていきます。「自分でやりなさい」とか、担任が1人で10人も20人もの生徒を担当するため、面接練習1回だけでサポートが終わってしまったとか、そういうことはいっさいありません。ですから、合格率はかなり高いです。
進学実績について知りたい方はこちらをご覧ください。
規模が小さい学校であるだけに、一般入試でも総合・推薦でも対応しやすいです。
――面倒見の良さが魅力なのですね。
中村:
先日、ある教育関係の方が、「私の中で『面倒見の良い学校』と言えば、今の一番は中村だね」と言ってくださいました。外から見た時に、先生方が同じ方向を向いていて「一枚岩」になっているように見えるとその方はおっしゃっていて。
まさに今、私たちは同じ目標に向かって、同じ方向を見て、変えていこうと頑張っているところですので、それを外部の方からご評価いただけたことはtとても嬉しかったですね。
――本日はありがとうございました!
ポテンシャル入試の概要
※下記情報の活用にあたりましては、念のためご自身でも「募集要項」の記載をご確認いただけますようお願いいたします。
入試概要
- 試験日: 2023年2月3日(金) 午前
- 試験科目:活動アピール または ポスターセッション 作文・面接
- 当日のスケジュール:
- 作文 9:00〜 9:30
- 活動アピールまたはポスターセッション 面接9:45~
出願とスケジュール
- 出願開始日時:2023年1月10日(火) 0:00
- 出願締切: 2023年2月3日(金) 8:30 (受験票の印刷が可能です)
- 合格発表: 2023年2月3日(金) 21:00 ~ 2月9日(木) 23:59(インターネット)
- 入学手続締切:2023年2月9日(木) 23:59