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インタビュー③ 学びと探究
なぜ学ぶ?を自分で考えるエンゲージメントの成果は
――授業(教科型学習)でも探究的な取り組みをおこなっておられますか?
新渡戸文化:
授業に関して言えば、クリエイション、つまり授業の中で何かを作る・表現する機会がすごく多いこと。そして、あらゆる場面で「問い」を投げかけているのが特長です。そのほかには、本校では基本的に期末テストを行わないということが挙げられます。期末テストの代わりに「アウトプット型テスト」をしているのです。
――アウトプット型テスト…どんな内容なのでしょう?
新渡戸文化:
単に知識を問うのではなく、学びの中で得た知識や得た技能をどうやって自分とつなげるか、そして外に伝えていくかを見るテストです。ぜひこちらの動画もご覧ください。
教科ごとに出題内容は違いますが、たとえば国語ならスピーチを作ってプレゼンテーションをしたり、英語なら簡単な英語ドラマを撮影して作ったり。社会科(地理)なら「あなたが北海道を誰かに案内する時にどこを案内しますか」と問うたり、数学で音楽を作ったりします。
このようなテストがあることで、日々の授業での生徒の学びも必然的に、単純なインプットではなく「アウトプットを前提とした学び」となっていきます。
――「学びの中で得た知識や得た技能をどうやって自分とつなげるか」とのお話がありましたが、大人でもなかなか難しい「自分ごと化」をどのように実現しておられるのでしょうか。
新渡戸文化:
生徒たちの気持ちをいかに学びへと持っていけるか、その役割を担っているのが「エンゲージメント」です。
本校では学期初めに必ず「エンゲージメント週間」があります。そこでは、この学期ではこういうことを学ぶよね、こんなことが起きるよねということを話すとともに、生徒に対して「あなたにとってこの学びって何なんだろう」「そもそも学ぶ意味があるんだろうか」といったことを問いかけ、しっかり考えてから学期をスタートしてもらうようにしているのです。私たちはこの部分をとにかく大事にしています。
その結果、生徒たちは期末のアウトプット型テストはもちろんのこと、実力テスト――これは到達度を測るアセスメント的なもので成績には入らないのですが――に対しても自分なりに頑張っていくようになっています。「成績のためだけの勉強」から脱却してほしいと願っている私たちとしては、嬉しい変化です。
圧倒的な経験値を得られるスタディツアー
――クロスカリキュラムに加えて通常の授業でも探究的な学びをされている新渡戸中高さんであれば、大学進学でも「総合型選抜」で強さを発揮できそうに感じます。
新渡戸文化:
確かに総合選抜には間違いなく強いと思います。と申しますのも、総合型選抜は体験や経験に基づいた学びが求められるんですね。この点、本校にはクロスカリキュラムに加えて「スタディツアー」もありますので。
――スタディツアーは、修学旅行のようなものですか?
新渡戸文化:
そうですね。とはいえ、修学旅行のように「みんなで一緒に・一斉に」行くものではありません。スタディツアーは、私たちとつながっている全国のさまざまな場所――現在15か所で、来年は20か所ぐらいになる見込みです――から行き先を選べます。しかも、行こうと思えば1年に2回、3回と行けるのです。高校生が中心ではありますが、中学校も選択制で参加できるようにしています。
――本人が望めば多くの機会が得られるのですね。行き先はどのようなところですか?
新渡戸文化:
その時でなければ体験できないこと、人や大自然に出会える場所をツアーの目的地にしています。観光地はひとつもなく、むしろ過疎地域などのほうが多いですね。
スタディツアーの目的地では、その場所なりの魅力と課題に出会うことができます。そこで見つけた課題はきっと、日本の全国各地が今後おそらく迎えるであろう未来の状態だと思うんです。そこに、本当に少人数――5人から10人ぐらいの規模で訪れ、人や環境や自然と出会い、体験し、考えるのが本校のスタディツアーです。
ここで自分自身が見て感じたもの、実際に活動したことは経験値として絶対的に語れるものとなりますし、その「語れる」レベルは単に人から聞いた話や読んだ話とは大きく違うものとなります。本校がこの取り組みを始めてからまだ数年しか経っていませんが、すでにいくつか、スタディツアーが大学進学に結びついた事例も出てきています。
――スタディーツアーの行き先は、生徒さんが提案することもできるのでしょうか?
新渡戸文化:
はい、可能です。すでに今、2つほど生徒発案のプロジェクトをスタディーツアーの場所にするために検討を進めているところです。
――実現すると良いですね!
インタビュー④ 入試出願を迷われている方へ
熱中できる人・熱中したい人に向く学校
――「好きなこと入試」を受験する際のコツや考え方など、何かアドバイスをいただくことはできますか?
新渡戸文化:
冒頭でも申し上げましたが、「好きなこと入試」って、自分の好きなことを語るだけではダメなんです。それが社会に社会を良くすることにどう関わるか、つまり、誰かのHappyにつながるという視点が絶対に必要で。
――「誰かのHappyに」と聞くと、SDGsのテーマに寄せなくてはならないのではと思ってしまいそうですが…
新渡戸文化:
そんなことはありません。私たちは、お子さんたちが熱中していること・好きなことの「エネルギー」を感じたいと思っています。自分がやっていること・好きなことは、ちゃんと考えればきっとどこかで誰かの笑顔につながっているはず。それを見つけて言葉にしていただければ大丈夫です。
――そのつなげる社会のHappyってそんなにすごく大きいものじゃなくても大丈夫でしょうか。
新渡戸文化:
大丈夫だと思います。たとえば、それが「家族が笑顔になる」というのであったとしても、自分なりの体験や経験を踏まえて、自分自身の言葉で語ってもらえれば、私たちも納得すると思います。
――入試直前でもチャレンジをあきらめなくて大丈夫でしょうか。
新渡戸文化:
そう思います。今までの自分の人生をしっかりと振り返れば、きっとそこにヒントがあるはずです。それを見つけていただければいつでもチャレンジできる試験だと思います。
――新渡戸文化中高さんに合うお子さんを一言であらわすと、どのようなお子さんだと思いますか?
新渡戸文化:
やはり「熱中できる人」ではないでしょうか。本校にはたくさん余白がありますので、その余白を使って自分でやりたいことをとことん考え、行動できる人には向く学校です。入試の時点でやりたいことが決まっていなかったとしても構いません。そういう時間の使い方をしてみたいお子さん、ひとたび熱中するととことん集中してしまうようなお子さんは、本校のカリキュラムと時間をうまく使って充実した学生生活を送ることができると思いますよ。
――わかりました。本日はありがとうございました!
参考:好きなこと入試の概要
※下記情報の活用にあたりましては、念のためご自身でも「募集要項」の記載をご確認いただけますようお願いいたします。
A日程(2月1日)
入試概要
- 試験日: 2023年2月1日(水) 午前(集合 8:20)
- 試験科目:(対面型)スピーチ口頭試問
出願とスケジュール
- 出願開始日時:2023年1月10日(火) 9:00
- 出願締切: 2023年1月31日(火) 15:00
- 合格発表: 2023年2月1日(水) 18:00(WEB)
- 入学金納入締切 : 2023年2月3日(金)
B日程(2月2日)
入試概要
- 試験日: 2023年2月2日(木) 午後(集合 14:50)
- 試験科目:(対面/ライブ)スピーチ口頭試問
出願とスケジュール
- 出願開始日時:2023年1月10日(火) 9:00
- 出願締切: 2023年2月2日(木) 7:00
- 合格発表: 2023年2月2日(木) 21:30(WEB)
- 入学金納入締切 : 2023年2月4日(土)
C日程(2月11日)
入試概要
- 試験日: 2023年2月11日(土) 午後(集合 14:50)
- 試験科目:(対面/ライブ)スピーチ口頭試問
出願とスケジュール
- 出願開始日時:2023年1月10日(火) 9:00
- 出願締切: 2023年2月10日(金) 15:00
- 合格発表: 2023年2月11日(土) 21:30(WEB)
- 入学金納入締切 : 2023年2月13日(月)