2020年5月16日に公開された、本郷中学校の第1回中学校説明会(配信)の内容を、書き起こしでお伝えします。
学校ホームページ:https://www.hongo.ed.jp/
Contents
1. 学校長挨拶
佐久間校長先生:
皆様こんにちは。私は、本郷中学校・高等学校で校長をしております佐久間と申します。本日は、新型コロナウィルス感染症の影響でWebによる説明会という形になってしまいましたけれども、それにもかかわらずご視聴いただきまして本当にありがとうございます。
まず私からは、本郷中学校・高等学校という学校がどんな方向を目指しているのか、それが分かりますように、なるべく簡潔にお話をさせていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
学園の紹介
それでは、初めに本郷学園のご紹介をさせていただきます。
創立は、1922年。今年度で98周年ということになります。2022年には創立100周年を迎えます。その100周年に向け、現在は記念事業等の検討を進めております。
それからこちらが――どの私立学校にも存在するものですが――建学の精神、創立者がどんな思いを込めてその学校を作ったのかということになるわけですけれども、本校では「個性を尊重した教育を通して国家有為の人材を育成」ということになります。
公立学校は、広くあまねく、皆さんに同じ教育を提供するという大きな役割がありますが、逆に私立学校は、この創立者の思い、それにしたがって教育が進められるということで、この点が公立と私立の大きな違いということになると私は思っております。
そして創立者ですけれども、松平賴壽(まつだいら・よりなが)先生。こちらは高松松平――現在の香川県の高松になりますけれども、高松松平の第12代当主ということになります。ずっとさかのぼりまして、(高松松平家の)初代当主、こちらは松平頼重という方がいらっしゃいました。この方は、徳川家康の孫にあたる人。もう少しわかりやすく申し上げますと、水戸光圀公――水戸の黄門様の実のお兄さんということになります。
それからもう一つ、建学の精神のほかに、校訓(教育目標)というものがあります。強健・厳正・勤勉。少し古めかしい言葉ではありますけれども、目標とすべき人物像ということになります。
教育の実践項目
それから、社会に有為な人材の育成、すなわち目標とすべき人物を育てるために、日々どういう教育活動を行っているのか。この教育の実践項目が、やはり最も気になるところかなと思いますけれども、本校では「文武両道」「自学自習」「基本的生活習慣の確立」とこの3つを教育の三本柱と称し、日々実践しているということになります。
本来でしたらこの一つ一つ、丁寧にご説明を申し上げたいところではありますけれども、かなり時間がかかってしまいますので、こちらは、学校で配布される学校案内もしくはホームページ等詳しく載っておりますので、そちらをご覧いただければと思っております。
なお、この教育の三本柱に関しまして少しだけ説明させていただきますと、実はこのキーワード「縦の繋がりを重視」――文武両道、自学自習、生活習慣の確立、これを実践させるために先輩の成功体験をぜひ後輩に伝えてもらおうということで、本校では特にこの「縦の繋がり」を重視しているというふうにお考えください。
それが、この中で申し上げますと、たとえば「本数検」であったり「本単検」であったり「朝読書リレー」であったり、とにかく、先輩の成功に対するノウハウを後輩に伝えてもらおうということを、学内で、意識して実践しております。
「混沌とした世の中を力強く生き抜くために必要な力」の育成
現在は、数年先を予想することすら難しい非常に混沌とした世の中となっています。それではその世の中を力強く生き抜くために必要な力とは何でしょうか?
それを1つに絞ること非常に難しいことではありますけれども、とにもかくにも、勉強はもちろんのこと、さまざまなことを経験する、それがひいては自分の力となるということを私は信じています。
ですので、生徒諸君には学校というフィールドを生かし、そこでできること、さまざまなことにチャレンジをしてほしいというふうに思っております。その代表的な例が、たとえば、クラブ活動であったり、委員会活動であったり、課外活動であったりということになろうかと思います。
2019年度 クラブ活動の実績(関東大会以上)
それではここで、昨年度のクラブ活動の実績をご紹介させていただきます。
関東大会以上に限定ということになりますが、この中でも特に目立ちますのは、高校ラグビー部の2年連続での全国大会への出場――花園に年末行ってまいりました。
ただ、最近は、運動部よりも実は文化部――たとえば科学部であったり地学部であったり、ご覧いただいてる通りなんですけれども、こちらの活躍が非常にめざましく、実績だけを単純に比較しますと、もしかすると文化部の方が若干優勢ということになるかもしれません。
学校とは失敗を安全に経験できる場所
私は、もともと学校とは「失敗を安全に経験できる場所」でなければならないと考えていました。
特に、本校は男子校ですので、異性の目がありません。もしかすると、共学校より安心して失敗できる空間になっているのではないかなと思っています。もちろん女の子の目があった方が力が発揮できると言う男子もおりますけれども、そこは、ご自身・ご子息の適性に合わせて学校選びをしていただければと思います。女子の目がない――もしかするとこれが、男子校の最大の強みかもしれません。
そして、とにもかくにも、失敗を恐れずに何事にも積極的に取り組取り組んでもらい、心・体・頭をバランスよく成長させてもらいたいと考えています。
本当の面倒見の良さとは?
それでは最後に、本郷の考える「本当の面倒見の良さとは」ということについてご説明をさせていただきたいと思います。
外部説明会等にまいりますと、多くの方々から「本郷では勉強についていけなくなった場合に補習とかそれをフォローしてくれるような制度はありますか?」と言う質問をお受けします。もちろん答えはイエスで、そういった制度はきちんとありますのでその点はご心配なさらずともいいのかなと思っております。
ただ、ここでぜひとも皆さんにお伝えしたいのは、実は補習をすること、与えることが――もちろん大切なんですけれども――それ以上に大切なことは、どのようなアプローチを生徒に対してすれば彼らが自ら動けるようになるのか、自ら机に向かったり、鉛筆を持ったり、ノートを開くようにできるのか、そういう視点を我々教員が持っているかどうかということが非常に大切だということです。
「最近本郷は変わりましたね」という言葉を頂戴することが多いんですけれども、私は、では本郷の何が変わったのかと問われたときには、今のような気持ち――どうやったら生徒が自ら動くようになるのかという発想を全教員が共有できている、それが本郷が変わった大きな原因かなというふうに思っています。
与えることは大切です。しかしながら、自分で動けるようにする、言い換えれば、学びとる姿勢をつけてもらうためには大人としてどんなサポートが必要なのか、その気持ちを持っていただけると、保護者として親御さんとして、子供に対する接し方も少し見えてくるのかなというふうに考えております。
結びの言葉
本郷中学校・高等学校がどんな学校であるか、少しでもイメージしていただけたら嬉しく思います。
ただやはり本郷中学校をご理解いただくためには、中学生そのものをご覧いただくのが一番いいことかなと思っておりますので、新型コロナウィルス感染症が落ち着き、2学期以降、学校で皆様とお会いできることを楽しみにしております。本日はありがとうございました。