コロナ禍の影響を受けた過去2年間とは異なり、学校訪問の機会が一気に増えている2022年。でも予約が取りづらく、なかなか学校訪問に参加できない・・・そんなお悩みをお持ちの方のご参考にしていただければと学校さんの調査や取材を始めました。
当サイトの管理人・ママサポチワワが個人的に素敵だなと思っている学校さんについて、校風や教育の特色が感じられた内容を中心にお伝えしていければと思います。
第1回目となる今回は、文化学園大学杉並中学校・高等学校(東京都杉並区)さんの訪問記です。2022年5月17日(火)に開催された「授業見学会」に参加してきました。
学校紹介ページはこちら↓↓
Contents
今回の訪問で知りたかったこと
明るくて元気な生徒さんが多いのはなぜ?
文化学園大学杉並中学校・高等学校さんを訪れたことは何度かあり、そのたびに感じるのが、生徒さんの明るさと元気さです。「明るさと元気さ」なんてありふれた書き方で申し訳ないのですが、そう表現するのが一番似合う学校さんなのではないかなぁと私は思っています。
一人ひとりが自然体で、楽しそうで。でもそれは刹那的な楽しさを謳歌しているという感じではまったくなく。かといって、必要以上に背伸びしたり、プレッシャーにさらされながら「頑張っている!」という感じでもなく。等身大の生徒さんたちの爽やかな明るさが強く印象に残ります。
こんなふうに感じているのは私だけかな?と思っていたら、文化放送PodcastQRで毎週月曜日に配信されている「【中学受験】おおたとしまさの『校長室訪問』」でも、校長先生が校風について次のように語っておられるのを発見しました↓↓
校長先生も認める「明るくて元気な生徒さんたちがが多い」、文化学園大学杉並中学校・高等学校(以下、文大杉並)さん。そのような生徒さんが育っていく環境として、授業ではどのような工夫がされているのかに興味がわいたので、授業見学会におじゃましてきました。
見学して気づいたこと(中1Starterクラス・中2・3中高一貫コース)
文化学園大学杉並中学校・高等学校さんは、日本とカナダの両方の高校卒業資格が取得可能なDD(ダブルディプロマ)コースを日本で初めて設置した学校。そのためDDコースが注目されがちですが、「DDじゃないコースの授業はどうなの?」という点が気になる方もおられるのではないでしょうか。
ということで今回は、DDではないコースで学ぶ中学生さんの授業もしっかり見学してきました。
私が気づいたことは、次の3点です。
①リラックスと真剣さの両立
中学1年生さんの地理の授業を見学してきました。
まず気が付いたのは、生徒さんがのびのびしていることです。
私のほかにも何名か見学者が教室にいらしたのですが、気にしている様子は見られません。
「見学者がいるから、態度や発言に気を付けなくては」といった気負いはみじんも感じさせず、リラックスした雰囲気の生徒さんたち。先生からの問いかけには挙手することなくその場で大きな声で発言する生徒さんも。でもそれが教室の雰囲気を乱すといったことはまったくなく、むしろその発言をきっかけに次の発言が出たりと、クラスが活性化していきます。
入学から1カ月ぐらいしか立っていない時点でこの落ち着きとリラックスぶり。そしてクラスの盛り上がり。私はかなり驚きました。
次にのぞいたクラスでは、家庭科の授業をしていました。
ビタミンAが不足すると夜盲症(鳥目)になるという話をスライドを使って説明していました。
先生はスライドの内容に頼りすぎることなく、生徒さんたちによくわかるようにしっかりと説明。時折、先生の発言を受けて生徒さんたちのにぎやかな笑い声があがっていました。こちらも、笑ったからといってクラスの雰囲気が緩むということはなく、皆が思い思いに授業内容に向き合い、楽しんでいる様子が伝わってきました。
文大杉並さんでは楽しい学校生活を送るためのアンケート(QUテスト)を行っているそうです。最新の学校案内p.8にその内容が掲載されていますので、こちらからご覧ください(学校案内のPDFが開きます)。
②問題解決力につながる授業
今回の見学で最も印象に残ったのは、中学1年生さんが受けていた国語の授業でした。
その日、取り上げていた題材の論説文について説明する前に、先生は「生活していて問題に直面したことはありますか?」と生徒さんに問いかけ、次のようなお話をされました。
細かな言い回しはこのとおりではないかもしれませんが…大意としてこのような内容でした。
「日常的に使っている言葉なんだから、別に勉強しなくてもできる/ちょっとやればすぐできる」と思われやすく、単調だったり退屈になったりしがちな国語の授業。その国語の授業にしっかりとした目的を持たせる呼びかけを中学1年生の段階でされると、ここから先の学びが大きく変わっていきそうだなぁとワクワクしました。
「時系列にまとめる・比較材料を探す・対立項をつくる。この3つを使えば、問題の把握はスムーズに進むよ。ではやってみよう!」と具体的なやり方が提示されていたところもよかったです。
アツい授業を展開する先生方の顔ぶれは、最新の学校案内pp.3~4にも掲載されています。
こちらからご覧ください(学校案内のPDFが開きます)。
見学して気づいたこと(DDコース)
実は、DDコースの授業は月曜~金曜まで。
このため、DDの授業を見学できるのは平日の授業見学会の醍醐味なのだそうです。
ということで、授業をいくつか見学してきました。
①復習もみんなで
DD9(中学3年生)のScienceクラスを見学してきました。教室に入ると目に飛び込んできたのは、黒板に映し出されたスライドの前に集まって話している生徒さんの姿。どうやら、prokaryotic(原核生物)とeukaryotic(真核生物)について復習しているようです。スライドに記載されている特徴は原核生物のものか?真核生物のものか?を話し合いながら、赤と青に色分けしていっていました。
単調になりがちな復習や暗記も、一人ではなく話し合いながら取り組んでいくのですね。
②とにかく問いかけ
別のScienceクラスでは、化学の授業中。先生は最初に2つのグラフを提示し「なぜこうなるのでしょうか?2分で話し合ってください」と指示。早速、グループで話し合いが始まっていました。
たった2分!私はつい慌ててしまいましたが、生徒さんたちは慣れたもの。さっとグループの方を向いて話し合いを始めていました。授業の中で、日常的にグループワークや話し合いがされていることが伝わってきました。
文大杉並さんは、中間考査を廃止し、そのぶん、日々の授業の取り組みに対しての評価がしっかりできるような仕組みを構築しています。グループワークもその評価の対象。評価軸が事前にわかっているので、生徒さんたちも取り組みやすいようです。最新の学校案内(こちらからご覧ください-学校案内のPDFが開きます)のp.7をご覧ください。
③英語力は実践で鍛える
DD8(中学2年生)の英語クラス(ELA8)を見学してきました。
授業のウォーミングアップ時間だったのでしょうか。まずは少し集めの物語本(もちろん英語)を読んでいます(いわゆる多読)。Key Personは誰か?という問いかけがあらかじめされていましたので、短時間で大意を把握する読み方をしていたようです。
次に始まったのが、英文法のレッスン。
先生が前方の黒板に投影した英語の文章は…あれ?どうやら色々と文法的な間違いが含まれているようです。
「さあ、この文章の間違っているところをどんどん訂正していって!」という先生の呼びかけに、生徒さんたちが立ち上がっては、黒板に書き込みをしていきます。順番が後になるほど指摘が難しくなるので、どうやらこのシステム、早く手を挙げたほうが良いようですね^^。
先生は最後まで解答を言いません。あくまで生徒さん主体で指摘が進み、皆、それを見ながら考えている様子が伝わってきました。多読にせよ文法の誤り指摘にせよ、とにかく実践の中で英語力を鍛えていく工夫がされているのが印象的でした。
感想
短い滞在時間のなかでいくつかの授業を見学しただけですが、どのクラスでも「生徒さんがただじっと座って、先生の言うことを黙って聞いている」という風景は見られなかったことに驚きました。
改めて学校案内のp.7を読むと、こんなことが書いてありました。
活発な生徒さんだけが入学しているわけではないはずなのに、皆が一様に、リラックスしつつも真剣に、そしてのびのびと授業に向き合っているその裏には、先生方が考え抜いたさまざまな「しかけ」があるようです。そのしかけがしっかり作用していることを確認できた授業見学でした。
訪問を許可してくださった文大杉並の先生方、ありがとうございました!!
文大杉並さんについてもっと知りたい…というかたは、こちらのページもご覧ください。
<目次>
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