茗溪学園中学校高等学校 宮﨑 淳 校長先生のお話・穴埋め式まとめノート

この記事は、文化放送PodcastQRで毎週月曜日に配信されている「【中学受験】おおたとしまさの『校長室訪問』」の内容を、確認クイズ付きでWeb再録したものです。

配信内容を書き起こすとともに、その一部を「穴埋め(ブルダウン式の三択)」クイズにしております。

番組を聴きながら穴埋めを完成させて、楽しみながら学校への理解を深めていただければ幸いです。

今回お届けするのは、
茗溪学園中学校(茨城県 つくば市)の校長、宮﨑 淳先生のお話です。

番組の聴取は下記より↓↓

【大切なお願い】

※このWeb再録は、「【中学受験】おおたとしまさの『校長室訪問』」をより楽しんでいただくための取り組みとして、文化放送様の許諾をいただいて実施している特別企画です。

クイズを楽しんでいただいたあとは、ぜひページ末尾のアンケートフォームから、番組のご感想やリクエストなどをお送りください。

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Topics1:学校の概要

IBDPでSSHで部活は全国レベル。でも下校は18時

おおたとしまさ氏(以下、おおた):
それでは茗溪学園中学校高等学校の校長、宮﨑 淳先生にお話をうかがっていきましょう。宮﨑先生、よろしくお願いします


茗溪学園中学校高等学校
宮﨑 淳
校長先生(以下、宮﨑):
はい、よろしくお願いします。

おおた:
(中略)まず学校がどんなところにあるのか、最寄りの駅や周りの環境を教えていただけますでしょうか。

宮﨑:
本校は茨城県のつくば市にあります。最寄りの駅はつくばエクスプレスの研究学園駅からスクールバスで15分程度です。終点のつくば駅から自転車で15分程度で通っている生徒もおります。つくば駅は秋葉原まで45分と、比較的、茨城県にしては都内・千葉に近い地域にあります。

JRでは常磐線のひたちのしゅく駅からスクールバスで15~20分程度に位置しております。つくば大学まで約5キロという位置にあり、JAXA筑波宇宙センター、これは徒歩圏内にあるという、とても研究所が近くにたくさんありまして研究所に囲まれた地域に位置しております。

おおた:
つくばの学園都市のなかにある学校ということですけれども、最近の学校の中の生徒さんたちのご様子などはいかがでしょうか。

宮﨑:
本校は中学生が約700名、高校生が約800名の1,500名規模で、(そのうち)約20%にあたります約300名が帰国子女、世界中からの帰国生であります。

帰国生とか県外の生徒のために寮を持っておりまして、現在約220名程度の寮生が在籍しております。寮生は約60%が帰国生、(残りの)40%は全国から――沖縄から北海道まで――集まっております。

現在高校では国際バカロレアディプロマ・プログラム(IBDP)も1クラス運営しております。また、3年前から高校に正規の留学生を受け入れております。正規の留学生とは本校で2年間または3年間を学んで本校を卒業して国内外の大学に進学をしていくという生徒であります。

留学生は2025年に高校生の約5%(約40名)、2030年までに高校生の約10%(約80名)という目標を立てていますが、今年で約5%の40名在籍していますので、2030年を持たなくても10%の正規留学生になると予測しています。

高校では、IBDPのクラスを開設しましてからこの春に4回目の卒業生を出しました。IBDPを始めてから海外大学を目指す生徒がかなり増えまして、昨年は海外大学に120を超える合格をいただきました。これは国内のランキングでは、都内の広尾学園さんに次ぐ2位となっております。また、スタンフォードやUC Berkeleyなど、過去4年で世界ランキング100位以内の大学から120の。

複数の生徒が奨学金をいただきながら進学をしており、インター校ではないんですけれども、生徒の留学も進学も世界中にも開いているといます。

おおた:
先生、IBDP、国際バカロレアのお話がありましたが、ご存じないリスナーの方にどういったものかをちょっと簡単にご説明をいただいてもよろしいでしょうか?

宮﨑:
これは話すと長くなるのですが、IBというのは小学校・中学校・高校のプログラムなのですが、本校は高校のプログラムということです。これは世界基準のプログラムでありまして、世界中どの地域、どの国地域でもやられておりますが、まだ日本ではちょっと馴染みの薄い――だいぶ増えて県立高校さんとかやられていますが、これについてはぜひホームページをご覧いただければと思います。

おおた:
国際的な教育プログラムになっていて、特にDPという、日本でいうところの高校段階にあたるような前提をクリアしていると、最終的にはそのスコアに応じて基本的には無試験で世界基準の大学に入ることができると。そういう国際的なシステムですよね。

宮﨑:
そうです。スコアが試験になるということだと理解いただければと思います。
また、海外に20校の姉妹校を持っておりまして、各国のトップクラスの学校と交換留学を行っています。半期で200人程度の姉妹校の生徒を受け入れたり、本校からも100名以上短期で姉妹校に送り出しております。

このような国際交流だけではなく、スーパーサイエンスハイスクール指定校としての探究活動にも力を入れております。また、3年前から中学にアカデミアクラスというコースを2クラス開設いたしました。これについてはまたちょっと説明がかなり必要となりますので、ホームページをご覧いただければと思います。

また最後に、生徒はクラブ活動も頑張っていまして、中学の県大会では女子が総合優勝、男子が6位になるという。特別な強化はしていないのですが、また、完全下校は18時ですから練習時間も毎日長くても1時間半程度ですからそんなに特別な強化はしていないのですが、中学ラグビー部が先月、全国大会で優勝しました。高校ではラグビーを始め、剣道やテニス、体操やバドミントンなどが毎年のように全国大会に出場しておりますし、文化部の活動もとても盛んであるという、ちょっと変わった学校ではあると思います。以上です。

おおた:
ですね。国際バカロレア認定校であって、SSHスーパーサイエンスハイスクールであって、しかも部活においても全国レベルの活躍を見せていて。でも下校は18時だぞと。これは面白いですね。

Topics2:沿革

附属高校が1校も移転しなかったんです

おおた:
そういった学校がいつぐらいにどういう目的で作られて、どういう歴史を経て現在に至るのかそういったバックグラウンドの部分も伺ってよろしいでしょうか。

宮﨑:
本校は1979年につくば市に開校しまして、創立42年目となります。普通は創立者というのがいるんですが、本校は設立者は団体でして、「茗溪会」という筑波大学の同窓会であり、さかのぼると東京教育大学、東京高等師範学校までさかのぼる同窓会があります。この茗溪会が設立いたしました。

その設立の経緯は、本校開校の5年前に東京教育大学が筑波大学としてつくばの地に移転しました。しかし、附属高校が1校も来なかったんですね。1校も移転しなかったんです。筑駒さんとか筑附さんとか。

そこで同窓会である茗溪会がつくばの地に新たな高校を設立したということでありまして。附属ではありませんが、大学との距離が近い故に、現在ではどの附属よりもあらゆる分野で連携をしておりまして、筑波大学と連携協定を結んでおります。そんなような感じです。

おおた:
なるほど。当然経営母体としては違うわけですけれども、校章も一緒ですものね。

宮﨑:
校章も一緒なんです。まったく一緒のものを授かっていまして。ですから、同窓会立と言うのは珍しいと思うんですが、お茶の水…桜蔭さんなんかも同窓会ですよね。

そうですね。桜蔭がお茶の水女子――昔の東京女子師範学校の同窓会が設立したのが桜蔭さんです。似たような形で作られた。そして東京教育大学が筑波大に名前を変えてつくばに移転する。その後に、それをきっかけにしてできた学校と。

宮﨑:
はい、そうであります。

おおた:
生い立ちもすごくユニークですし、今の学校のあり方というのもユニークですし、つくばの学園都市という環境それも特殊ですし、ちょっと、日本にありながら「ああ、こんな学校があるんだ」というような、とてもユニークな学校だなと思いました。

Topics3:保護者様へのアドバイス

人生は「椅子取りゲーム」ではなくて、自分の椅子探し

おおた:
そういった非常にユニークな、聞いているだけでワクワクしちゃうような学校だなということが伝わってきたのですけれども、その教育のエッセンスを何か一般のご家庭でも取り入れるヒントやアドバイスのようなものをいただければと思うのですが、いかがでしょうか。

宮﨑:
はい。僭越ですが、多分これも他校さんとはかなり違うと思うのですけれども、人生はとっても長いというふうに受け止めておりまして、小中高のその時点での得点や偏差値だけに重きを置くことだけでなく、生徒自身が自ら考える力というのをつけていくことがとても大切だと思っております。

そのためには、保護者の皆様には、焦らず、お子さんをせかさず、お子さんのペースにも少し合わせて歩んでいくことがお子さんの長い人生、未来において有利に働くのではないかと思っております。

私たちの時代とか保護者の方々の時代の経験値だけでお子さんの時代を考えますと、結果として大きな乖離を生む可能性があるということを危惧しております。この先の未来を生きる生徒にとって何を幸せとするか、この幸せの定義、幸せの価値観なんですが、私たちの世代は大学・進学・就職やポジション、そして収入が幸せに対する主な定義として考えられた時代を過ごしてきました。

まあ、その考え方は日本の社会で普遍的な価値観として受け止められているのですが、中学・高校・大学と偏差値を基軸とした進学も就職も椅子取りゲームとでも言うべき競争によって幸せの価値を決めてきた場面が強くあったと思うんです。

(ただ)本来、幸せには物質的な面もさることながら、やはり自らが好むとか、自らが望む進路に進む生活をするという幸福がもあると思います。つまり、ポジション・ステータス・収入だけに偏らない、興味関心を軸とした職業に就く、そういう生活を目指すことが否定されない、認められていく時代になってきたと思います。

ですからこれからの時代、生徒の皆さんには、人生の「椅子取りゲーム」ではなく、この先の人生が18歳や20歳で決まるものではないというスタンスに立ってもらって、中学3年間・高校3年間という期間を使って基礎学力、受験学力の獲得と並行しながらも、興味関心を軸とした「人生の椅子探し」をやってもらいたいと思います。

まとめますと、人生は椅子取りゲームではなくて、一人ひとりの自分の椅子探し。そのためにも、日々の学習とともに興味関心のあることの体験や経験を積んで欲しいと思っています。そのためにも、そのような保護者様にはそのような環境を設定、応援していただきたいと願っております。

おおた:
今すごく印象的なフレーズが出てきました。今までの社会というのは、どうしても偏差値的なものをベースとした椅子取りゲームになりがちだった、だけども、これからの時代は椅子探しなんだと。

それはそんな人と競って椅子を取り合わなくてもあなたが座るべき椅子はどこかにあるはずだから、それをどこかに、自分の興味関心に導かれて見つけてみよう。探してみようみたいと。そういうスタンスで生きていくのがこれからの生き方なんじゃないかというメッセージだと理解いたしました。

これが、ともするとよそのお子さんには言いやすいんだけれど、なかなか自分の子どもには…

宮﨑:
はい、そうですね。

おおた:
そういう生き方が、本当に多分そうなんじゃないかなと頭ではわかっていながらも「とはいえ」という感じで、親だからこそ思ってしまう、そこはどうやって親として向き合えばいいんでしょうか?

宮﨑:
ですから、そこがやはり保護者としての(1)だと思うんです。

<確認クイズ>
(1)に当てはまる言葉の組み合わせは何でしょう?

テスト

おおた:
(1)

宮﨑:
はい。待つ(1)。急かすことはいくらでもできまして、それは自分の安心につながるんですよね。自身の安心にはつながるんです。(でも自身のお子さんの安心につながるとは限りませんから。そうするとお子さんファーストで考えますと、保護者の方はやはり場面、場面で耐えることがとても必要になるのではないでしょうか。

おおた:
そこには「耐えるぞ」という覚悟が必要で。自分が早く楽になりたいからといって押し付けるのではなくて、不安な気持ちを、自分がこれを抱えるしかないんだぞと、親のほうも「しょうがないな」という覚悟を決めて見守ってくださいねということですね。ありがとうございます。

校長室訪問、今回は茗溪学園中学校高等学校の校長、宮﨑 淳 校長先生にお話をうかがいました。宮﨑先生、ありがとうございました。

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