豊島岡女子学園 中学校・高等学校 竹鼻校長先生のお話・穴埋め式まとめノート④

この記事は、文化放送PodcastQRで毎週月曜日に配信されている「【中学受験】おおたとしまさの『校長室訪問』」の内容を、確認クイズ付きでWeb再録したものです。

配信内容の主要部分を書き起こすとともに、その一部を「穴埋め(ブルダウン式の三択)」クイズにしております。

番組を聴きながら穴埋めを完成させて、楽しみながら学校への理解を深めていただければ幸いです。

今回お届けするのは、
豊島岡女子学園 中学校・高等学校(東京都豊島区)の校長である竹鼻志乃先生のお話(全4回)の第4回です。

※その他の回をお読みになる場合は、下記リンクをご利用ください。(配信後、順次追加していきます)
第1回 第2回 第3回


番組の聴取は下記より↓↓

【大切なお願い】

※このWeb再録は、「【中学受験】おおたとしまさの『校長室訪問』」をより楽しんでいただくための取り組みとして、文化放送様の許諾をいただいて実施している特別企画です。

クイズを楽しんでいただいたあとは、ぜひページ末尾のアンケートフォームから、番組のご感想やリクエストなどをお送りください。

この企画を続けていくことができるかは皆さまのお力にかかっております。ご協力、どうぞお願いいたします!

※本テキストの著作権は、株式会社文化放送に帰属します。本テキストの一部または全部を無断で複写・複製することは法律で禁じられております。

Topics1:4つの「離さず」

先生・保護者そして保護者同士が一緒になって子どもを見守る

おおたとしまさ氏(以下、おおた):
(前略)いよいよ今回で4回目、最終回ということなのですが、前回=3回目の対談では、先生ご自身が気になっている社会課題としてジェンダーのこと、そして環境問題のことという2点を挙げていただいたのですが。さらに昨今は新型コロナウイルスの感染拡大によって社会も大きく混乱して、私たち大人でも数カ月先の未来がまったく読めないという時代をもうかれこれ2年ほど過ごしているわけですが、そんな中で子育てをする親御さんたちへのアドバイス、あるいはメッセージをお願いできますでしょうか。

豊島岡女子学園 中学校・高等学校
竹鼻志乃
校長(以下、竹鼻):
コロナ禍で不安なのはみんなそうなのですが、子育ての基本はいつの時代も変わらないのかなと思っています。

たぶん皆さんもご存じだと思いますが――子育ての「4つの”離さず”」をよくお聞きになりませんか?
乳児期は(1)を離さず、幼児期は(2)を離さず、学童期は(3)を離さず、思春期は(4)を離さずというのを聞き、本当にそうだなと。親と子の距離感はコロナ禍だろうがなんだろうが変わらないと思います。

学童期(つまりお子さんが)小学生の時には、子どもの活動範囲が広がっていくので、ひとりの親だけでみる(見通す)ことは難しい。ともすると偏った見方とか偏った理解になりかねないから、色々な大人の(3)を介してみてもらうことが大切なんじゃないかな。そうすると、今まで気づかなかったお子さんの良さとかにも気づくことになる。多面的な大人の(3)で理解していくということとが、「(2)を離して(3)を離さない」ということだろうと。

すなわち――私が言いたいのは――家庭だけで(お子さんを)見るのではなくて、学校の先生も保護者も、あるいは保護者同士も一緒になって見守っていくことが(大事)だろうなと。

おおた:
保護者同士、お互いの(3)を寄せ合って、それぞれに見えたものを――今度は横でのコミュニケーションですよね――〇〇ちゃんはああだった、こうだったと、ただ見ているだけではなくて、それぞれが見えたものを共有することによって、みんなで子育てをしていくという。

竹鼻:
なかなか難しいんですけれどもね…。あとは皆さん、学校に通っているので、先生の目もやっぱり大切だと思うんですよね。ご家庭と学校が協力して(お子さんを)見ていくということがすごく大切だなと思います。

<確認クイズ>
(1)・(2)・(3)・(4)の順序は?

テスト

中高生時代に取り返しのつかない〇〇なんてない

おおた:
この「4つの”離さず”」って面白いですよね。(1)を離さず・(2)を離さず・(3)を離さず・(4)を離さず――と順番に行くわけですが、逆にいうと、幼児期になったら(1)を離しなさいよ、学童期になったら(2)を離しなさいよ、思春期になったら片をつぶりなさいよ、という、そういう逆説でもありますよね。

竹鼻:
そうですね。それは大切ですよね。子どもはどんどん離れていきますからね。

おおた:
思春期になっても(1)を離しませんというようなのは、ちょっとやめてよと(笑)。

竹鼻:
そうなんですよね。手を離されて、色々な小さな(5)を経験するということがすごく大切で。(5)を経験していない子は――たとえば本校でお預かりした時に――初めて(5)したら「もうだめ!すべて終わっちゃう!!」みたいになりかねないですよね。あと、立ち直るまでに時間がかかってしまたたりとか、そんなことにもなりかねないので。だから色々な小さな(5)をさせることが大切だと思うんですよね。

おおた:
本当にそうですね。

竹鼻:
中高時代なんて、取り返しのつかない(5)なんてないですから。

おおた:
ほんとですよね。

竹鼻:
どんどん――(5)と言っちゃうといけないんですが――ちょっとしたエラーというか、全部がいい経験になるし成長の糧になるので。ちょっとぐらい痛い思いとか困難とか経験したほうがいいと思うんですよ。

<確認クイズ>
(5)に当てはまる言葉は何でしょう?

テスト

Topics2:信じること

子どもを信じてあげることの難しさ

おおた:
それって、我々大人は親になっていると、自分の過去を振り返って「ああ、思い出したくない!」「恥ずかしい!」みたいなことがあり。でも、やはりそこから学んで今の自分があるよなということがわかるじゃないですか。でもいざ子どもがまったく同じ(5)をしていると、なんだか見ていられなくなっちゃうのは…あれは何なんでしょうね(笑)。

竹鼻:
(笑)

おおた:
だってあなたもそうだったじゃん、みたいなことがたくさんあるし、(自分は)もっと大きな(5)をしていたはずなのに、転ばぬ先の杖(つえ)を持たせようとしてしまう。これも親心で。

竹鼻:
まず、そこらへんの(6)感ですよね。信じてあげることですかね。子供を信じてあげていれば、(5)も許してくれるし、子どもはこのぐらいしかできないだろうとかそんな決めつけがいけないと思うんですよね。でも、信じすぎて過度の(7)をするのもダメだと思うんですよね。

おおた:
ああ、そうか、信じるにはそういう側面もあるんですね。過度な(7)になってしまう。確かに。
私などはそういった相談を受けたり、もしくは先生みたいに「(5)をすればいいのよ!」といって上手に(6)をとれる親御さんの話などを聞いていてちょっと思うのは、親御さん自身に自信があるかどうかはすごく大きいような気がするんですよね。先生もずっと研究者として活躍もされて、若くして校長先生にもなられて組織を導いていて…そういう「なんとかなるさ」という…

竹鼻:
「なんとかなるさ」という、そのフレーズは私はいつでも思っていますね。

おおた:
いつもおっしゃっていますよね。それが根底にあると、子どものことも信じることができるのですが。でも自分を信じられていないと、なかなか子どもを信じることも(できない)。それって自分の不安の投影だったりするのかなと。

<確認クイズ>
(6)(7)に当てはまる言葉は何でしょう?

テスト

ポジティブに、プロセスを見て

竹鼻:
ポジティブな考えで子どもを見守っていくというのが一番いいのでしょうね。

おおた:
ポジティブな考えで子どもを信じてあげて、とはいえ、過度な(7)を押し付けるのではなく。仮に自分が(7)した方向と違う方向に子どもが進もうとしても、それはそれで「この子だったら大丈夫」と。そういう意味での子どもに対する信頼を親が持てると、なおさら子どもも励まされるという。だって、そうやって親が認めてくれるのが一番の勇気ですものね。

竹鼻:
そうですね。

おおた:
仮にテストでいい点をとれなかったとしても、親が「あなたなら大丈夫」と――ほとんどの場合、そこに根拠はないのですが――そういうふうに一番大好きな親御さんから言ってもらえるのは一番勇気がわいてくる。

竹鼻:
テストの点数が悪かったら、それにむかって努力していたなら、「努力していたからよかったじゃん」「努力していた姿勢はすごくがんばっていて素敵だったよ」と言えばいいんです。結果はあとからついてくるので。

おおた:
本当ですよね。結果だけではなくむしろプロセスのほうを見て。親だからこそそこを見ていられるわけですから。そこを見てあげられるのってやはり親。あるいは数少ない、ごく親しい先生とか。そうでないと、そのプロセスの部分は見てあげられないことだと思いますから。ぜひそういった部分に目を向けてあげて。

そうすると、子どもは安心して頑張れますよね。結果が出なかったら、結果だけを見てしかられちゃったら、不安の中で頑張らないといけないですからね。(そうではなく)プロセス自体をみてくれているんだという安心感があれば、むしろ結果がどうなっても「私は頑張ろう!」と腹をくくれますからね。

Topics3:中学受験生の親御さんへ

親が泣いてはいけない

竹鼻:
中学受験で皆さんが第一希望の学校に入れるわけではないですよね。その時に…思い通りにならなかった時に、やはり、親御さんは泣いてはいけないと思うんです。その泣いている姿を見て、それが頭の中に残っていて、大学受験が近づいてくると「お母さんを悲しませてはいけない」ということで(8)になってしまうという子がいるんです。お母さんを泣かせないようにしなければいけない、と。(でも)「それは違うでしょう」と私は思うんですよね。嬉し涙はいいですけど。

おおた:
トラウマになってしまう。そうかそうか…そこは意地でも(親御さんは)こらえて、意地でも演技をして、にこっと笑う練習をして。
(でも)あれは難しいんですよね。「まさか」という時、不合格の結果が出た時に、親は当然ショックで。でもそこで感情にまかせてしまったら涙はこぼれてしまう、あふれてしまうわけで。そこで、万が一のことがあった時には私はこういうふうにふるまうんだ、というふうに(あらかじめ)決めておかないと難しかったりしますよね、きっと。

竹鼻:
「うちの子を入れてくれないなんて、最低な学校!」って自分でセリフを考えておくとか。

おおた:
そうそう。その時にはパッとスイッチを切り替えて、女優もしくは俳優モードになって。
(それにしても)そうですか…合格発表の時の親の涙を見て、それが罪悪感、トラウマになってしまうということは、6年後にも残っているということがあるんですね…

竹鼻:
あるんですよ。私は生徒から聞きました。

おおた:
それは貴重なお話ですね。本番まであと1カ月ちょっとというところなわけですが、ぜひ――縁起でもないことではありますけれども――そういった万が一のケースに備えて、その時に果たしてどうあるべきかということはシミュレーションしておいて、(いざそれが必要になったら)そこで一世一代の芝居を打つという。子供を守るために。

竹鼻:
そうですね。

おおた:
深いお話ですね。
今月は、豊島岡女子学園 中学校・高等学校の竹鼻志乃校長先生にお話をうかがいました。
竹鼻先生、ありがとうございました!

竹鼻:
ありがとうございました!

<確認クイズ>
(8)に当てはまる言葉は何でしょう?

テスト

いかがでしたか?
このPodcastと書き起こしが、豊島岡女子学園 中学校さんについて理解を深める一助となりましたら幸いです。


今回の内容のご感想やコメントなど、ぜひお送りください。
(私たちが責任をもって文化放送さんにお届けします)

こちらのフォームにご入力をお願いいたします↓↓