小学校高学年~中学生のお子さんに読書をして欲しいけれど、どんな本を勧めればよいのかわからない・・・というお悩みをお持ちの保護者さまに本をご紹介するシリーズです。
中学入試で出題されそうな本、過去に出題された本も交えてご紹介します。
第2回目の今回、ご紹介するのは、「世界とキレル」(佐藤まどか著, あすなろ書房)と「エリーゼさんをさがして」(梨屋 アリエ著, 講談社)です。
Contents
世界とキレル
基本情報
出版社 : あすなろ書房
発売日 : 2020/9/7
中学入試での出題:未確認
※過去にこの学校で出題されているよ!などの情報がありましたらぜひお気軽にこちらのフォームからお知らせください。
こんな本です
主人公の舞は、中学2年生。中学受験で有名国立大付属にたまたま受かってしまったために小学校の仲良しとは離れ、入学した学校では周りのレベルについていけず、友達もできず。
次第にスマホとSNSに居場所を求めるようになり、リアル世界では「アーティチョークのように」とっつきにくくなっていきます。
そんな娘をなんとかしようと画策した母親が舞を、いとこの鏡花ちゃんとともに送り込んだのが、スペシャルサマースクール「森の家」。
スマホ・PC・タブレットは没収され、デジタル・デトックス。食事は自給自足を原則に、オーガニック食材を使用した特別メニュー。ジャンクフードは禁止で過ごす3週間。果たして舞は耐えられるのか…?! そんなお話です。
こんな人におすすめ
スマホやゲームに没入するのはリアル世界が居づらいから…というケースもきっと多くあると思います(実際、私の息子もそうでした)。
この物語ではデジタルデトックスがリアルな居場所を見つけることと直結していたからよかったのですが、そうではない場合、スマホやゲームを取り上げるとただ居場所や心のよりどころを失うだけになりかねず…。
そんな危うさを持った思春期のお子さんの心を知りたいかた、ぜひ一読されてみてはいかがでしょうか。
もちろん、スマホやゲームのことで親御さんとバトルしている中学生さんはも「うんうん、わかる!」と読んでくれるかもです^^。
好きなシーンは
「世界とキレル」は母娘の距離感を再構築していくお話でもあると思うので、舞が母と最後に話すシーン(198ページ~)が好きです。
そしてもちろん、そのあとのラストシーンも最高!読後感のよい終わり方です。
では、「母娘の距離感を再構築」というテーマつながりで、もう1冊ご紹介します。
エリーゼさんをさがして
基本情報
出版社 : 講談社
発売日 : 2020/11/19
中学入試での出題:未確認
※過去にこの学校で出題されているよ!などの情報がありましたらぜひお気軽にこちらのフォームからお知らせください。
こんな本です
いつも決めつけるように話す母との接し方がわからず、いつしか丁寧語で話すようになってしまった中学2年生の亜美。
ピアノ教室も「ちっとも上達しないから」「時間もお金も無駄」なので「あなたのために」とやめさせられてしまいますが、いやだと伝えることもできません。
うまく話せないのは、幼馴染の環奈ちゃんに対しても、学校の先生に対しても同じ。そんな亜美が、ちょっと破天荒な高校生・ポーラCさんと出会ったり、高齢者施設の伴奏ボランティアに参加したりしながら、ピアノが好きな自分の気持ちや、将来やりたいことの手がかりを見つけ、自分の気持ちを伝えられるようになっていくまでのストーリーです。
こんな人におすすめ
「うちの子が何を考えているのかわからなくて、ついつい言い過ぎてしまう(そしてあとで後悔する)」という方や「うちの子はいつまでたっても幼くて何も決められない」とお悩みの保護者さんにおすすめしたいです。
お子さんも何を考えているのかを見つけるヒントになったり、お子さんとちょっとゆっくり向き合おうかなというきっかけになるかも。
小中学生さんなら、のんびり、おっとり、平和を愛するタイプのお子さんにおすすめかなと思います。内心、色々と考えている自分の気持ちとリンクして、共感を持って読み進められるかもしれません。
好きなシーンは
180ページからのエピソードが好きです。環奈ちゃんと亜美の関係が少し変わっていくんですよね。そして亜美と母の関係がどうなるのか。ラストシーンまで目が離せません。
いかがでしたか?
皆さんのご参考になりましたら嬉しいです。
それではまた次回!